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【ビール特集】

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【ビール特集】 (3/16)

【ビール特集】

◎各社、自社の“強み”を深耕  若年層のビール離れをストップする施策へ

 

2016年1~12月累計のビール5社のビール類課税出荷数量は、合計で前年比97.6%の4億1,476万c/s(大瓶20本換算)となった。5社ともマイナスで、市場は12年連続のマイナス。2003年の新ジャンル登場以来、3ジャンルともマイナスは初めて。2017年は、各社とも狭義のビールカテゴリーに集中し、ブランド力を磨く。10年後の3ジャンル税率統一を長期的視野に入れつつ、短期的には消費者の節約志向に対応した新ジャンルにも資源を投入する。

 

2016年は、夏場の天候不順、飲食業の低迷、若年層のビール離れ、RTDへの流出などが影響した。1~6月は98.5%だったが、97.6%まで後退した。ビールは98.0%。15年1~12月は、19年ぶりのプラスに転じていたが、またマイナスに戻った。しかし、缶容器だけみれば100.3%で、2年連続プラス。業務用市場計は樽生が振るわず96.8%、家庭用市場計は瓶ビールの減退で99.2%だった。発泡酒は、3年ぶり減。14年、15年と機能系商品が牽引してプラスだったが、新商品が少なくマイナスに転じた。新ジャンルは3年連続減。ただし、新ジャンルのうち、リキュール規格は100.8%で2年連続プラス。構成比は、前年比で、ビールが0.2ポイント(P)増、発泡酒が0.7P減、新ジャンルが0.4P増。

 

2016年1~12月累計のメーカー間シェアは、アサヒビールが39.0%で7年連続のトップを維持した。前年比で0.8ポイント(P)増やした。キリンビールは15年に6年ぶりにシェアを回復したが、前年比で1.0P減らした。サントリーは0.01Pと、僅かながら前年を超え、7年連続で過去最高シェアを達成した。サッポロビールは0.2P増やした。オリオンビールは横ばい。

 

◎大手4社の取り組み方針

 

2017年の大手各社の取組み方針は、アサヒビールは、最大の強みである「ビール」では、「スーパードライ」発売30周年を記念した特別限定醸造商品第1弾として「スーパードライ エクストラハード」を3月14日に発売する。“乾杯!心がつながるうまさをぞくぞくと”を活動スローガンに掲げ、「飲用機会」と「飲用の場」を創出する様々な活動を中長期的に展開していく。昨年発売した「ザ・ドリーム」は、仕込・発酵・貯蔵の各工程における技術革新により“麦芽100%で糖質50%オフ”にクオリティアップする。「新ジャンル」は、「クリアアサヒ」「同 プライムリッチ」「同 糖質0」の「クリアアサヒ」ブランド3商品をクオリティアップする。

 

キリンビールは、新しいビールの楽しみ方を提案する。クラフトビールをブームで終わらせることなく、カテゴリーとして拡大するために、タップ・マルシェを飲食店に導入する。3Lの小型ボトル容器を4つ装填できる小型ディスペンサー。一番搾り〈若葉香るホップ〉、グランドキリン〈ジャパン・ペールラガー〉には国産ホップを使用し、国産ホップの価値化・ブランド化につなげる。昨年開始した“47都道府県の一番搾り”は、更にブラッシュアップして、キリンの思想を伝えていく。なお、「一番搾り」は、“気の合う人と、和やかな気分でビールを飲む時間”の提案を通じて、家族や仲間との日常シーンで最も選ばれるビールを目指す。

 

サントリーは、「この3年間は、各ブランドのメダルを取る場所を決める。当社の強いところで戦う。酒税改正前に№1、№2ブランドを育てる。プレミアムモルツは大刷新し、プレミアムビールを再び活性化させ成長軌道に乗せる。総市場は今年も98%くらいだろうが、当社は101%を目指す」としている。「ザ・プレミアム・モルツ」については「プレミアムカテゴリーの中心商品として、市場を牽引するのはこのブランド」として、もう一度最高品質を伝えていく。5年ぶりになる3月のリニューアルでは、“深いコク”と“溢れだす華やかな香り”を実現。「マスターズドリーム」で培った知見・技術を注ぎ込んだ。製品・広告を大きく進化させ、プレミアムフライデーなどを契機に、ご褒美消費を訴える。

 

サッポロビールは、2016年は“ビール強化元年”を掲げていたが、今年は、更に進めて“ビール復権宣言”を掲げる。昨秋制定した、2020年までの4年間の中計のテーマは“突き抜ける!”だ。「黒ラベル」は、40周年を迎える。テーマを「完璧な生ビールを。」として、完璧な生ビールを実感、体感するブランド体験を業務用で行う。「大人エレベーターBAR」や「PERFECT BEER GARDEN」などを実施。店頭でも40周年大型キャンペーンなどで露出を拡大する。「ヱビス」は、品質価値(イメージ)の強化、需要期(ハレの日)の取組を強化する。花見・旬の食などと連動したアプローチを強化する。また、通年新商品「ヱビス 華みやび」を発売し、最高峰「ヱビスマイスター」はデザインをリニューアルする。「麦とホップThe gold」は、1月31日にリニューアルし、コクを更に進化させた。

 

◎ビール缶容器は2年連続のプラス  新ジャンル樽詰めは初のマイナス

 2016年のビール類容器別

 

ビール酒造組合の市場動向レポートをもとに、本紙が推計した2016年1~12月累計のビール3ジャンル合計の容器別出荷内訳は、前年同期比で瓶93.0%、缶98.3%、樽・タンク97.3%となり、いずれもマイナスとなったが、缶は総市場の97.6%を上回った。これはビールと新ジャンルの缶容器が、それぞれ100.3%、98.8%だったことによる。ビール缶容器は2年連続のプラス。15年は、12年の震災の裏を除けば8年ぶりのプラスだったため、ビール缶容器の好調が続いている。各社、ビールの基軸ブランドに注力する姿勢が反映した。

 

一方で、ビール樽容器は15年に2年ぶりのプラスだったが、16年は2年ぶりのマイナスに転じた。業務用市場の低迷と、家庭用消費(家飲み)の堅調ぶりを示した。3ジャンル計の用途別出荷を見ても、業務用が96.6%と総市場を下回り、家庭用は98.0%と、総市場を上回っている。新ジャンルの樽詰めは、10年の初登場以来、初のマイナスとなった。容器別における3ジャンルの構成比は、缶容器におけるビールの構成比は前年比0.7ポイント(P)増やして、33.8%になった。発泡酒が1.0P減、新ジャンルが0.3P増だった。樽容器の3ジャンルの構成比は、ビールが0.2P増の93.1%、発泡酒が0.3P減、新ジャンル横ばい。ビール類の家庭用の構成比は、ビールが0.5P増やして36.1%、新ジャンルが0.4P増やして46.0%。ビールの容器別・用途別出荷をみると、業務用で樽生と瓶の構成比は75対25。ほぼ前年と変わらない。瓶ビールは家庭用が89.3%、業務用が94.8%とマイナストレンドは変わらない。

 

◎樽生ビール、2年ぶりのマイナス

 

樽生ビールの出荷は、97.5%と2年ぶりのマイナス。2014年下期から総需要を上回ってきていたが、16年4~6月期からずっと総需要を下回っており、業務用樽生の停滞が浮き彫りとなっている。

 

 

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