人口減少・高齢化、環境変化が進行するなか、酒類産業界各層は「仁義なき戦い」に突入している。
昨年9月、酒販免許が実質自由化された。いまや一般酒販店の酒類販売量は3割に満たず、量販店やコンビニが5割強に達している。特に「2強」のイオングループとセブン&アイ・ホールディングスの酒類売上高はそれぞれ2500億円、2000億円と推定され、両社合計で末端の酒類市場5兆2000億円の10%近いシェアを持っている。
メーカーはこの2強を無視できず、新商品の店頭価格は、幕張(イオン)と四谷(セブン)の間を行ったり来たりして決まるといわれる。
ビール類は2005年から新取引制度を導入したが、価格の主導権は大手量販側に握られたままで、メーカー間価格競争は相変わらずだ。
小売とメーカーの狭間に立つ卸業界は一層の経営難にあえぐ。一般酒販店との取引窓口が減少するなか、量販店の帳合獲得に走り、専用センターを次々つくった。しかし、特定の量販店の下請けになるような形は経営のリスクを高めている。加えて7割を占めるビール類が赤字商売とあっては「残るも地獄、去るも地獄」だ。
缶チューハイ、いも焼酎、ボジョレー・ヌーヴォーなど酒類の値上げ機運はかつてなく高まっている。しかし、必ず「下をくぐる」ところが出てくるのが酒類業界の特徴だ。体質改善には時間がかかるといわれるが、残された時間はあまりない。(9/24)


