長年安定した業界と言われた製粉産業で今、業界再編が静かに進み始めている。今年3月には、日東富士製粉と増田製粉所の資本・業務提携、10月には昭和産業と奥本製粉の資本・業務提携が発表になった。奥本製粉の場合は、株式の過半数を昭和産業に譲り、昭和産業の連結子会社になっている。
麦の間接統制移行以来60年近く経過する中で、確かに幾度かの業界再編は行われたが、大手・中堅を舞台に行われるのは、恐らく今回が初めてではないか。
いずれの資本・業務提携も、その誘導は、麦制度の再度の改革が行っている。来年10月には、再び輸入麦の売手法が「即時販売方式」に切り替わる見込みで、これまで製粉工場近くの港で、安定的・定期的に、リスク少なく輸入麦の売却が受けられた世界とは、一線を画すことになる。
その先に控えるSBS化の流れもあって、中堅製粉では、1社単独で輸入麦を手当てすることが困難と言われており、今回提携を選択した中堅2社も、背景には、麦制度の改革があったことは間違いない。
しかし、今回の「即時販売方式」への移行は、農水省の地方農政事務所廃止が主な理由だ。これは昨年の事故米問題・騒動が直接の原因であり、お役所の都合で、民間業界の再編が“誘導”されるという極めて異例の事態でもある。
主導で行う業界再編“誘導”の功罪は、いずれいつか検証される日が来るだろう。(11/09)


