ホーム > コラム > vol.112 「酒=社会悪」は論理のすり替え

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コラム

「酒=社会悪」は論理のすり替え

WHO(世界保健機構)は2003年に「たばこ規制枠組み条約」を採択し、2005年に発効した。これにより締約国には、広告・販売への規制や密輸対策が義務化された。たばこの箱や宣伝が突然、禍々しいものになったのはこのためであった。

その後、WHOはアルコール(酒)関連問題への関心を強めている。来年5月の総会で何らかの対策案を打ち出し、決議に持ち込む考えだ。

たばこと同様に酒も社会悪として敵視する考えの出自が、西欧的・宗教的な思想であることは想像に難くないが、そういった諸国でのみ諸規制を行うならともかく、もともと仏教をルーツとするアジア諸国や日本には「押し付け」でしかないのではないか。日本の伝統的食文化を無視して「鯨は哺乳類だから獲って食べてはいけない」というのと同じであろう。

しかし驚くことに、これと同じ考えに立つのが日本の新政府である。政府税制調査会は「たばこ税・酒税」を「健康に影響を与える」として同一視し「グッド減税・バッド課税」の英国的税理念を適用しようとしている。

もちろん過剰摂取による依存は問題であり、飲酒運転や未成年者飲酒は論外である。しかしそれは道徳・教育啓蒙の問題であり、取締りの問題であるといえる。大きく言えば極めて現在的で世相的な問題であろう。お酒そのものを悪とみなし、禍々しい規制に結びつけるのは論理のすり替えである。(11/16)