麦制度が再び変わろうとしている。2010年10月を想定した「即時販売方式」の導入がそれだ。この言葉だけでは何のことか一般には理解できないだろう。
仕組みの概要を簡単に表現すれば、輸入麦が日本の港に到着した時に、「即時」に製粉企業に売却するというものだ。現行では、国が輸入した麦を1.8カ月間保管してから製粉企業に売却していた。この1.8カ月がいわゆる「国家備蓄」に当たる。
「即時販売方式」に移行しても国家備蓄は法の規定に則って継続される。つまり、「即時販売方式」とは、国家備蓄機能を民間に移管させることを意味する。製粉企業はこれに伴い、1.8カ月分をこれまでより余分に購入し、それを回転させながら、年間通じて1.8カ月分を持ち続けなければならなくなる。
そのための保管経費などの詰めが来年度予算に向け行われている。製粉産業にとって、国の事情(輸入麦管理を行ってきた地方農政事務所の廃止)によって、本来国家が担う「国家備蓄」機能を肩代わりしなければならないだけに、製粉企業に余計な負担を強いることにならぬよう慎重に決めてほしいもの。
また、今回の「即時販売方式」をはじめ、難解な新語も登場している。一般にはなかなか理解がいかないだけに、国民に麦制度の理解を広めることも必要だ。「即時販売方式」に移行するのであれば、国の責任において国民への制度の周知徹底が何より必要だ。(12/21)


