米穀流通業界最大の関心事は目下「米価の行方」だ。
何しろ、もはや古米となった平成20年産米が余りに余り、誰も21年産米を契約しようとしない。契約進捗率は前年の半分にも満たない有様だ。まさか損もできないので抱えていると、保管料ばかりが嵩んでいく。
まわりを見渡せば「下げ」要素ばかり。そこへ新たな下げ要素として登場したのが、戸別所得補償だ。
来年度から米を対象に実施されるモデル事業は、まさしく戸別所得補償部分と、いわゆる転作作物助成との主に2つの要素からなる。後者で、エサ米、米粉用米といった「新規需要米」に、10アール当り8万円も助成する。
一応、「販売先を確定してから作付」ということになっているのだが、果たして農家にどこまで伝わっているか。恐らく誰もが「作ったら8万円もらえる」と思っているはず。
前者は定額と上乗せ(変動差額)の2つの交付金で構成されており、定額交付金の単価は10アール当り1.5万円(60kg当り1725円)。上乗せ交付金は変動するが、財源から逆算すると、10アール当り約1万円(60kg当り約1250円)が上限になる。
この助成単価が、業界からすると米価の「下げ要素」にしか見えない。途中の計算を省くとこの事業、「平成22年産米の平均相対価格1万2778円」への下げまでは持ちこたえられる、と表現できる。
皮肉な業界関係者は早くも、参院選の票と米価を天秤にかけている。(2/8)


