農林水産省は5月20日、「米の流通に関する情報交換会」の初会合を開いた。席上、複数の委員による「数十万tにのぼるだろう持越米対策」を求める発言に対し、針原壽朗大臣官房総括審議官が「この政策(戸別所得補償)では、出口対策をやると米に補助金をつけた意味がなくなる。加入には、出口対策をやらないことが前提。そういう道を政権として選択したということ」と、キッパリ。
戸別所得補償では、下落米価が補填される。であれば、米価そのものの維持に汲々としない、故に政府米買入などによる「別途需給調整措置」は行わない――至極ごもっともな話ではあるが、ごく単純な疑問も湧く。戸別所得補償「完全実施」初年度を、数十万tにのぼる民間在庫というハンデを抱えたまま迎えても良いのか、だ。
また米価は下落するに任せると主張する割に、「といって、米価が下がってもらっても、それはそれで困る」という与党議員も数多い。そもそもこの日の会合の趣旨からして「不当な米の買い叩きを監視するための情報交換の場」なのだ。
そうはいっても「政府米で調整すれば助成を受けない人までも潤ってしまう」理屈の筋は通っている。しかし、助成金をもらう生産者の不公平感を是正するために、助成金をもらっていない流通業者が大量の在庫を抱えるという構図だ。流通業者はさぞかし不服だろう。だって財源は税金なのだから。(6/7)


