記録的猛暑と残暑を経て、やっと秋らしい気候となってきた。日本酒もシーズン入りとあって、今月は酒造組合主催の「楽しむ会」などのイベントが各地で目白押しだ。
会場はどこも人で溢れ、30年来の長期低迷が信じられないほど活況を呈している。各蔵自慢の様々な日本酒を、地元の料理と共に楽しめ、その上、日本酒のお土産もつくことも多い。至れり尽くせりの内容が人気の原因なのだろうが、何よりも様々な素晴らしい日本酒を安く飲めることにあるようだ。
日本酒の需要低迷の要因としてよく指摘されるのが、高すぎる料飲店での提供価格がある。有名銘柄酒となれば1合(180ml)700~800円する。1000円超も珍しくない。また、1合とはいうものの、それは1本の意味で、その中身は1合の7割、8割というのも少なくない。それでも美味しいとなれば、あとは財布との相談となるが、高くて、しかも不味いのでは、それこそ詐欺に等しい。
こうしたことは特に観光地のホテル、旅館で体験することができる。提供される日本酒は大抵高く、しかも品質が劣化し不味い。せっかくの旅の印象が台無しとなる。日本酒を飲もうという人が減るのは当たり前だ。地元の酒造メーカーは何をしているのだろうか。イベントもいいが、地元で美味しく、手頃な価格で飲んでもらうためにはもっとやるべきことがあるのではないか。(10/22)


