ホーム > コラム > vol.143 対岸の火事ではない口蹄疫騒動

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コラム

対岸の火事ではない口蹄疫騒動

宮崎県で発生した口蹄疫もようやく終息の方向に向かい、今月中には終息宣言が出される見通しとなっている。4月20日に最初の感染が確認され、これまでに292事例の感染が確認され、牛・豚合わせて約20万頭が殺処分され埋却された。

今回の口蹄疫がなぜこれまで拡大したのか。感染ルートの解明、初動対応のあり方、埋却の土地の確保の問題など、様々な問題も指摘されており、今回の教訓を今後の防疫に活かしていく必要がある。

そして、今後の最大の課題は、宮崎県の畜産農家の復興である。宮崎県は有数の畜産県であり、復興が遅れれば遅れるほど、今後の食肉供給への影響は大きい。特に牛肉については、子牛が生まれて出荷するまでには3年がかかり、さらに種牛を育成するには4~5年かかると言われている。

また、被害を受けた畜産農家が、生産を再開するかどうかという問題も残る。多くの畜産農家は借金を抱えており、再開するとなるとさらに借金が必要となる。そして高齢化も進んでいるため、被害を受けた地域での復興は容易ではない。

今後の日本の畜産を安定的に発展させていくためにも、今回の口蹄疫騒動は「対岸の火事」と見る訳にはいかない。復興のための垣根を越えた支援、制度の整備、宮崎県産食肉の販促の取組などを通して、全国の畜産農家の今後の意欲を担保していく必要がある。(7/19)