酒類需要の頭打ちはもはや動かしがたい事実だ。今年はビール大手が減産を計画するという異例のスタートとなったが、その悪い予感が的中しそうだ。
1~4月累計のビール類の出荷は前年比で約3%減った。ビール類で3%というと、数千万ケースという単位になる。
その内容を見るとビールが7%減だが、いわゆる「第3のビール」と言われる新ジャンルは7%増えており、明暗を分けている。
2~4月にかけて大手メーカーが相次いでビール類の出荷価格を上げ、ややまだら模様を残しつつも値上げが浸透した。これにより、生活防衛の意識が働き、安価な新ジャンルに消費がシフトしている。
団塊の世代の大量退職により「発泡酒でも新ジャンルでもなく、ビールを愛してきた団塊の世代が、いよいよ自分のお小遣いの範囲内でビールを飲めなくなった、あるいは赤ちょうちんに通う回数を減らしている」との指摘は興味深い。
日本のビールにかかる税金は諸外国に比べて格段に高い。ビール大瓶336円のうち酒税が139円、その上に消費税が16円かかっている。ドイツの20倍、米国の10倍になる。
ビール類は国民生活に密着した物資であり、庶民のささやかな楽しみだ。殺伐とした世相に咲く一輪の花でもある。秋から本格化する来年度の税制改正に向け是非、議論の俎上に乗せてもらいたい。(5/26)


