ホーム > コラム > vol.44 「買い負け」が現実に

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コラム

「買い負け」が現実に

最近は決算会見、団体の総会が続き、原料高騰をはじめ業界の課題を聞く機会が多い。その中でも驚いたのは搾油用ミックスゴマ価格の高騰だ。数年前までは1トン当たり600~700ドルで安定していたが、4月末にはなんと2750ドルのオファーがあったという。このため日本ごま油工業会では、原料事情説明会を開き、この状況を説明した。

 

それによると、中国が輸出国から輸入国に転じ、さらに昨年来、中国、トルコ、中東各国が輸入を増やしていることなど様々な要因が複合し、現在の急騰につながっている。

 

日本も先高感を背景に08年1~3月の輸入量を40%増加させているが、中国の同期の輸入量は7万トンと昨年比約2万トン増加した。やはり需給がタイトになる中で、中国が大量の買い付けを行ったことが急騰の背景と見られる。

 

その日、NHK9時のニュースでは和牛を中国に不正に輸出していた業者が摘発されたことが報道された。報道によると、日本国内で和牛カルビは200gで2000円前後だが、現地では4500円以上という。もちろん食べているのは、中国の富裕層だ。

 

これを考えると、「買い負け」はすでに現実となっていると言わざるを得ない。中国に対抗して、食料を安定して調達するには、商社、メーカーだけでなく、流通、消費者までの各段階で、それぞれが適正に負担するしかない、と改めて実感させられた1日だった。(6/16)