ある大手メーカーの株主総会に出席した。と言っても、株主としてではなく、あくまで取材者としてであるが。
時節柄、偽装ウナギのニュースで賑わっていたから、コンプライアンスは大丈夫かという質問のほかは、利益予想を下方修正したことについてや売上高純利益率が低過ぎるとか、原価率が上昇しているが製品への価格転嫁が充分でないのではないのではないか―などの質問が出された。
メーカー側の返答の内容はともかく、原材料が予想以上に高騰を続けたことがその最大の要因と言い切れる。そしてこうした現況は食品産業がいま抱える共通の課題でもある。
3~5月の量販店の状況をみると、一部元気なスーパーを除けば既存店売上高では前年割れ。ガソリンの値上げなど節約ムードによって外食から内食へ向かう一方で、内食自体もまとめ買いで袋麺やエコノミー米などが大幅増となっていると言う。惣菜でも一部カテゴリーで伸ばしたスーパーもあるが、より単価の安い素材品や一般加工食品に移行し、買い控えをする傾向も見られる。精肉では牛肉が低調だが、豚肉・鶏肉が好調と典型的な不況型の売れ筋構成になっている。
消費者が受入れられる値上げの程度は5~10%程度(農林漁業金融公庫調べ)と言うことだが、原材料の価格上昇が収まっておらず、この先も波状的な値上げで消費マインドは冷え込む。こんな消費環境がこのまま続けば、来年の総会に出ても同じような質問が飛び出すかもしれない。(7/6)


