現場を見ていた人は知っていたに違いない。「景気回復」や「好景気続く」という政府発表の情報に「ほんまかいな!」と呟きながら、個人消費のありようを肌で感じていたはずだ。営業部門に携わり、末端の売場やユーザーに近いところに居れば、景気回復など遠い世界の話だと。
庶民の生活感覚はシビアで、その「好景気」が続く中にあっても、シコシコと節約をし、安い商品を求めてさまよっていた。そんな消費者の姿を裏付けるように発表された07年版「労働経済の分析」では、戦後最長の好景気で、しかも労働生産性が上昇している中にあっても、労働者の実質賃金がダウン、しかも労働時間は短縮されていないことを指摘している。
調査に共鳴するような数字が、6月のスーパーの売上げに鮮明に現れた。6月と言えば、住民税の増税された月。既存店で前年をクリアし続けてきた好調なスーパーでも「不振月」と言い切るほど、売上げは伸び悩んだのである。
そんな消費構造に加え、人口の減少と円安に海外原料のコストアップ。どの企業それぞれ大変な努力はしているのだから、やはり構造的な問題が多いと言える。今の経済環境では、過度な競争は、互いに首を絞めることにもなりかねない。
「競争」をしながらも「協調」を図ることが、いま重要ではないか。協調により業界ごとがまとまり、発展を促す方策もあるはずだ。ただ悪戯な競争は、元も子もなくす恐れがある。(8/20)


