公正取引委員会はこのほど、豆腐一丁(300g)を20円で販売した食品スーパー「アルビス」(本社・富山県、42店舗で販売)を「独占禁止法違反につながるおそれのある行為がみられた」とし、関係者に注意した。
「アルビス」は家計応援キャンペーンとし、5月1日から31日までの1カ月間、子会社のクレハ食品で製造した「お買物快適 絹ごし豆腐300g」を1丁20円(税込)で販売した。
これに対し、富山県豆富商工組合はじめ、北陸3県の豆腐商工組合が不当廉売行為に当たるとして、公正取引委員会に申告した。この間、公取委が調査を行い、独占禁止法上の措置は取らなかったものの、同法違反につながるおそれのある行為がみられ、違反行為を未然に防止する観点から関係者に注意した。
この北陸の例とは別に、ある東北のローカルチェーン(上場会社)の社長は、決算発表時の会見で「10円で豆腐が売れないか検討している。豆腐は購入頻度が高く、集客効果が高い」と発言した。
さすがにまだ実現していないようだが、これではもはや豆腐という食品ではなく、宣伝のためのチラシと同じ扱いだ。仮に実行されたとすれば、豆腐の食品としての価値を否定された地元の豆腐業界はやりきれないだろう。
少しでも食費を切り詰めたいという消費者心理に応えたものだが、こうした極端な安売りは「価格破壊」だけではなく、「価値破壊」につながることを忘れてはならない。(7/28)


