ホーム > コラム > vol.54 PB強化の意外な可能性

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コラム

PB強化の意外な可能性

食品産業センターがこのほどまとめた「食品企業における製品回収・社告に関する調査」によると、過去3年間で、食品メーカーの55%が何らかの理由で製品回収を実施した。この比率自体が、かなり高いという印象を受けるが、実際には「重篤な健康危害」の恐れがあるケースは非常に少なく、ほとんどが「危害発生の可能性がない」場合だったという。

 

もちろん、健康危害の可能性がある場合は回収が当然だが、この調査からは回収事例の3分の2は「危害発生の可能性がない」ケースで、何か別の方法があったのではないかと思われる。

 

健康危害がないケースでも回収事例が多くなる背景には、消費者への配慮も大きいが、実際には流通、特に大手量販店を意識したケースが多いのではないか。安全・安心が食品業界のキーワードであり、製品回収だけでなく、原材料表示の方法、さらには遺伝子組換え作物や放射線照射食品の利用など、食品メーカーの頭を悩ます課題は、いずれも消費者の理解が必要なことに加え、流通の理解がポイントになる。

 

昨今の大手流通業者の動きの一つとして、PB(プライベートブランド)商品の強化があるが、流通が「製造者」の立場になったことで、安全な原料確保の難しさや表示の複雑さなどを、体験・理解したという話を聞く。

 

PB商品から派生したひとつの変化であり、これがメーカーの立場の理解につながれば幸いだ。無駄な製品回収が減少すれば、資源の有効利用になるし、遺伝子組換え作物の利用で少量の安定供給にもつながる。(8/25)