金融危機から景況感が急激に悪化し、年末の資金繰りに苦労する中小零細企業が増えることが懸念されている。大企業では生き残りをかけたシェア争いが激化している。サラリーマン受難の時代が続く。そんな世相ではあるが、一服の清涼剤のような話題があった。
サッポロビールはこのほど、宇宙船で5カ月間旅をした大麦種子の麦芽を使ったビールの製造に成功した。無重力で保存した種子でも、地球上での生育・大きさ・色・形・種子数などに違いはなかったという。
これまで無重力状態での草花の生育実験は行われていたが、食糧生産を目指したのは初めてで「宇宙空間での自給自足に道を拓いた」(岡山大学資源生物科学研究所の杉本学准教授)とのこと。
地球環境破壊と人口爆発が進行するなか、何千年後か何万年後か分からないが、生命はいずれ地球を飛び出して宇宙にその生存基盤を持たねばならなくなるというジャーナリストもいる。あたかも水中の生物が環境変化のなかで陸上を目指したかのように。
杉本氏にぶつけると「そこまでは考えていない。宇宙の極限状態のなかで、例えば水分がいらない形質の大麦が誕生すれば、温暖化・旱魃化がすすむ地球上でも食糧が生産できる」と笑って否定された。
年末年始、ビールを飲みながら気宇広大なストーリーに思いを馳せるのもいいかもしれない。(12/8)


