昨年10月以降の世界経済危機により、先行きの日本経済も混迷の度を強めている。その中で「派遣切り」が大きな社会問題として表面化してきた。先行き何万人、何十万人が職と住居を失うとの予想も出ている。
派遣制度は、企業にとっては雇用をフレキシブルに調整できる便利な制度であるが、今回の派遣切りは派遣社員にとっては死活問題となっている。何兆円もの内部留保金を持っている企業が簡単に派遣を切ってしまうということに企業の社会的責任、そして政府の保証制度の不備が問われるところ。
こうした輸出企業の派遣切りの一方で、農業分野での雇用受入の動きも出てきている。日本養豚生産者協議会では100人規模の緊急雇用を実施することを表明している。また、全国農業会議所・全国農業就農相談センターの調べによると、全国の26農業法人で1~2月に正社員、パートの緊急求人を行っているという。業種は稲作、畜産、果樹と様々だ。
日本の食料自給率は40%まで落ち込んでおり、自給率の向上が大きな課題となっている。就農者の高齢化などで先行きさらに農業人口が減少する可能性もある。今回の経済危機を逆手に取り、雇用を積極的に受け入れ農業基盤強化につなげていくチャンスだ。農水省でも農業分野での雇用拡大の支援策を検討しているといわれており、今後のこうした官民での動きに期待したい。(1/19)


