食品・外食、衣料などの小売で値下げ合戦が熾烈になっている。
つい1年前には穀物など原料価格高騰に対し、消費者、流通の理解が得られたことから、多くの食品の値上げが実行された。それが半年前のアメリカ発の金融危機で、我が国の実経済に影響が及ぶに至った。急にモノが売れなくなったことから、また値下げ合戦が始まったようだ
食品についてみると、パンなど例外的な分野を除けば、値下げに踏み切ったメーカーはないようだ。その代り今回は、スーパー各社のPB(プライベートブランド)商品という形での値下げが目立つ。本紙3月30日付既報のように、POSデータではPB商品のシェアが上がっているカテゴリーが多い。また記者がよく買い物に行くスーパーを見ても、ここ半年で新規も含めてPB商品が激増した実感がある。
小売側は扱い品目数の絞り込み、広告宣伝費の削除、大量発注などで安全性を確保しつつ低価格を実現している。また現状の経済状況を考えれば、消費者がPB商品を受け入れる環境にあることは理解できる。しかし、将来的にPB全盛が続くことが決して良いとは思えない。
もし価格だけを訴求すれば、原料段階からの抜本的な安全対策がおろそかになりかねないし、さらに新規商品の開発、社会の変化に合わせた新たなニーズへの対応なども難しくなる。
これらへの対応や努力こそメーカーの本分であり、これが時代に合った食文化の創造にもつながるはずだ。食品業界が消費者にこうしたメーカーの役割を訴える機会を作ってもいい。(4/20)


