ホーム > コラム > vol.86 日本酒業界にとって痛恨の極み

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コラム

日本酒業界にとって痛恨の極み

世界的な寿司ブーム、和食ブームを受けて、日本酒の輸出量も7年連続で記録を更新中だ。その輸出量は総出荷の2%足らずにすぎないが、着実に拡大する海外市場に各メーカーとも大きな期待を寄せている

一方、国内市場では、30数年続く消費減少に依然歯止めがかからず、その出荷量はピーク時(約180万キロリットル)の三分の一(60万キロリットル)目前となっている。ピーク時の半分(90万キロリットル)を割り込んだ時に、あるメーカー幹部が「ちょっと大袈裟だが、60万キロリットルぐらいになるかもしれない」と余りに厳しい見方に驚いたのを覚えている。それが今、現実になろうとしている。

こうした厳しい環境が続く中、日本酒の信頼を裏切るような事態が発生した。昨年、事故米転売で問題で、その被害者とされた美少年酒造が不透明な米取引で20年以上も裏金作りをしていたことが表沙汰となったことだ。1等米の精米を委託しながら3等米で戻し、差額分を受け取っていたというから、製品の品質を偽っていた可能性がある。

日本酒需要の長期低迷から、経営環境は各蔵とも悪化をしており、同社もその例外ではない。それがこうした行為に繋がったともいえなくはないが、今回発覚した美少年酒造の行為は、「国酒」を標榜する日本酒業界にとって痛恨の極みだろう。せっかくの海外市場での飛躍も、足もとがこれでは、日本酒の需要低迷が続いてもおかしくない。(4/27)