昨年は、穀物価格など海外原材料価格が高騰し、日本の食品メーカーは商品の大幅な値上げに動いたが、昨年9月のリーマンショック以降、事態が一転。その後の世界不況で、穀物や食肉の国際価格が大幅に値下がりし、円高も加わって輸入国日本にとっては昨年とは全く逆の展開となっている。
メーカーにとっても原料コスト安で需要を喚起したいところだが、それ以上に日本での消費が冷え込み、価格競争の波にのまれている。原料価格は下がったが、それ以上に末端価格は値下がりの動きを強めている。
こうした状況に対して、先行き原料確保を危惧する向きも出始めている。世界不況で国内需要、輸出需要ともに落ち込み、海外産地国では減産の動きを強めており、今後、1、2年後には供給がひっ迫する可能性があるからだ。
豚肉で見ると、主要輸出国である北米もEUも10%前後の減産に動いており、今後の生産は大幅に減少する予想にある。これに世界の景気が回復基調に転じれば、再び新興国の輸入が増加することが考えられ、日本の原料手当ては再び窮地に立たされることになる。
メーカーにとっても1、2年後を見据えた原料確保対策が求められる。こうした中、政府が食料安全保障のための海外投資促進に関する会議を発足させたたことは時宜を得た対応と言える。今後の議論の進展を期待したい。(5/11)


