ホーム > コラム > vol.92 責任の付け替えは駄目

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コラム

責任の付け替えは駄目

米麦の主要食糧行政がダッチロールに陥っている。麦政策では2年前に大改革したばかりなのに、再度の制度改革を強行しようとしている。米政策でもコメ3法の成立で、米穀のみを対象にした米トレサ・原料米原産地情報提供の「義務」を米関連業界全体に課した。

いずれも発端は、昨年9月発覚の事故米不正転売事件に絡む農水省、特に食糧部の対応の拙さにある。事故米問題の責任は農水省・食糧部にあるのだが、実際にはその責任を民間業界に「付け替える」ごとき動きになっている。

製粉産業は、現行制度の検証すら行われないまま、事故米問題で行政が輸入食糧の売買実務を放棄し、責任を業界に押し付けるやり方に反発している。その製粉産業の反対に対し、農水省側は「そこまで言うのなら輸入麦の売却を止める」と、なかば脅しをかけているという。

農水省側が「考える」改変は、輸入麦全銘柄のSBS化。輸入麦から徴収するマークアップが全額、自動的に懐に入るほか、輸入麦売買業務から解放され、まことに農水省にとって都合のよいもの。

一方、SBS化が導入されると製粉産業はほぼ半数の社が、製粉事業からの撤退を余儀なくされる。

製粉協会の横澤正克会長は、様々な団体総会で「食糧法に基づく供給・価格の安定は機能しており、現行麦制度の継続をお願いしている」と繰り返し訴えている。自己(事故)責任を民間に付け替えるのだけはやるべきではない。(6/15)