ホーム > この人の出番 > 第101回 東洋食品 代表取締役社長 荻久保英男氏

  • 新聞
  • 食品産業新聞
  • 日報
  • 大豆油糧日報
  • 米麦日報
  • 畜産日報
  • 酒類飲料日報
  • 冷食日報
  • 月刊誌
  • 米と流通
  • 麺業界
  • メニューアイディア
  • 出版物
  • その他出版物

この人の出番

満足度の高い学校給食を提供 東洋食品 代表取締役社長 荻久保英男氏

東洋食品(東京・台東区)は1966年設立の給食業界では比較的若い事業者だが、学校給食に特化している。売上げ構成の75%は学校で、25%が事業所・シルバー施設・病院・他となる。現在、受託施設数は、自校173カ所に給食センター75カ所で計250施設だが、センターは複数校あり、毎日約960校の生徒児童の食事、約43万食を提供する。

学校給食は急速な調理業務の民託化で委託業者が急増した。同社も20年間で、売上高30億円から右肩上がりを続け、今年度売上は14%増の140億円を見込む。学校給食調理業務の受託・運営管理ではISO9001とISO2000をいち早く認証取得。「委託校は毎年増える。自治体の動きを見ながら次年度の受託数の目標を立てる。ポイントは“人材の質”に尽きる」と荻久保社長は自信を持って話す。

自治体では委託を行う場合、仕様書で「学校給食の調理経験3年以上を責任者にする」など厳しい条件を付ける。民営化といっても食材は支給されるため、指示書に基づく栄養士の献立を配食時間に遅れず安全に、事故なく出すことが最低条件だ。「よく教育された従業員をきちんと配置できるかがポイントで、工程管理など運営システムが大事」と基本を語る。完璧な衛生管理、豊富な受託実績や経験、本社スタッフが運営業務をバックアップする細かいサポート体制、蓄積した各種ノウハウなど「満足度の高い給食サービス」を提供する学給のトップサプライヤーとしての自負は大きい。

東洋食品はなぜ学校給食に特化できたか。東京・足立区で86年、学校給食は直営でなく委託で食事提供が合理化できるようになった。そのとき事業所給食分野では大手企業が多くのシェアを取るなど出遅れていた。これから伸ばせる業界は何か…荻久保社長が打った手は、前年にまず私立小学校を手掛け経験を積み、来るべき規制緩和に対する用意周到な準備を行った上で学校に参入した。「小企業の給食事業ではこの道しかなかった。病院給食も大手が独占して太刀打ちできなかった」と当時の想いを語る。

自治体は横のつながりが強い。何か問題を起こすと受託し難くなる。大手というネームバリューでは全然通じない。委託先との信頼関係を築くには人材の質しかないということだ。民営化の実績の中で、競争入札から徐々に給食センターや都内の自校方式でもプロポーザルが多くなっていった。「入札方式だと人材の質やサービスの質は見えない。安く入札すれば(人件費の)安い人材を持ってくるしかない。優秀な調理師を配置すると人件費が高い。人材が悪ければうまく機能しない」。一方、各自治体も「学給は配置される人材で決まる」との理解を深め、プロポーザル選定が多くなった。

ただし「食材の民営化」は難しいと断言。「我々は食材を調理するだけで選択するのは自治体。給食費も父母からで、今後は格差が厳しくなる」と釘をさす。今年、「東京都学校給食サービス協会」を立上げ、荻久保社長は3代目会長として5月に一般法人化の設立パーティを盛会に行った。(11/05)

荻久保英男(おぎくぼ・ひでお)
1947年生まれ。工学部出身だが、趣味は中国の歴史書、外国のミステリー、ビジネス書など月に5冊以上の読書をはじめ、映画は今でも月1回以上は映画館に足を運ぶ。また、スキーも毎シーズン30日は滑るというから腕(脚?)は侮れない。