ホーム > この人の出番 > 第103回 ファインズ 代表取締役社長 中西卓也氏

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この人の出番

信頼できるワイン市場を築く ファインズ 代表取締役社長 中西卓也氏

今年9月、サントリーグループのファインワイン輸入・販売社ファインズの代表取締役社長に就任した中西卓也氏は、10月に「ファインズ品質方針発表会」を行い、新・経営理念「ワインが語る自然の恵みと造り手の想いをありのまま届けます」を発表した。その理念をあらわしたのが、同日発表された「100%リーファー主義」だ。

これは、同社で現在取り扱う世界11カ国のワインについて、生産者、ネゴシアンからの引き取り、港への配送に至るまで、現地内陸輸送もすべてリーファー輸送を行い、温度管理を徹底させるもの。南米も含めた全世界が対象の画期的な試みだ。

景況悪化が進み、各社でコスト削減が進む中、あえて「100%リーファー」に踏み切った理由は、「先が見えない状況だからこそ、仕事の理念・原点を確認し、会社の志を打ち出すことが大事と考えたから」。同社は創立時から、商品・流通両面で品質への取り組みを行ってきたが、「今こそ“有言実行”する時!」と決意したという。

発表会では、顧客から高い評価を受け、同氏が理想と掲げる「他社とは違う、付加価値のある会社」になるための第一歩を記した。

ワインビジネスの特性として、取扱い品目が多く、専門性が高いことがあげられる。これが「ワインの楽しさであり、同時に難しさでもある」と認識する中西氏は、「わかりやすく、安心して飲めるワインを選択できる環境づくりが必要」と考え、「ファインズが選び、ファインズが運んだワインなら間違いない」という信頼を得られるインポーターでありたいと願う。端的に言うと、「裏貼りを見て、ファインズの名前を確認して買ってもらえるワイン」である。

親会社であるサントリー ワイン インターナショナル(SWI)との連携では、量販店での取り扱い商品が多いSWIがワイン市場の底辺を広げ、カジュアルに飲める業態を増やし、ファインズではわかりやすく信頼できるワイン市場を築き上げたいという。

景気は底を打ったといわれながらも、消費という面では、低価格へシフトする傾向に変わりはない。ワイン市場も、金額面での落ち込みは否めないが、数量面ではほぼ前年並みをキープしていることから、「ワインとの接点までが減ったわけではない」と前向きだ。フランス在住経験の長い中西氏は「フランスではワインが身近にある。日本でもビールの次の選択肢に、ワインが入るようにしたい」と、消費者にワインを親しんでもらえる取り組みをSWIと共同で行っていきたい考えだ。

同時にファインワインに特化した専門会社として、信頼されるブランド企業になるための投資を惜しまない。ワインインポーターの成功モデルをファインズで確立し、パイオニアになりたいと意気込む。(11/19)

中西卓也(なかにし・たくや)
早稲田大学政治経済学部卒業。サントリー入社後、パリの「レストラン サントリー」社長兼総支配人、サントリーとフランスの会社との共同出資会社グラン・ミレジム・ド・フランスでワイナリー経営やネゴシアン事業に携わるなど、ワインビジネスにおいて豊富な経歴を持つ。家では、好物の魚や鶏料理に合わせて白ワインを飲むことが多いが、帰って最初の一杯は、「やっぱりビール。プレミアムモルツも飲むが、実は金麦も好き」。