ホーム > この人の出番 > 第109回 東京都豆腐商工組合 理事長 柳本恵三氏

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この人の出番

今年は「組合改革元年」 東京都豆腐商工組合 理事長 柳本恵三氏

低価格志向が続く中、現在の量販店の豆腐売場は、一丁100円以下の豆腐ばかりが目立つ。しかし、町の豆腐店では、当然ながら手造りで大量生産品のような価格で売ることはできない。価格ではなく、美味しさ、製造者の顔が見える豆腐で勝負せざるを得ず、逆に対面販売という町店の特長を最大限活かしていくことが可能だ。

こうした中で東京都豆腐商工組合の理事長として、町店のメリットを前面に出し、業界の活性化に努めていく。また、今年は団体法改正による定款変更を行い、「組合改革元年」と位置付けて組織の改革に取組んでいく。

昨年(09年)11月8日には、関東ブロック協議会(東京、埼玉、千葉、神奈川、山梨、静岡の各組合が参加)が、東京・新宿駅の西口広場で「関東豆腐まつり」を開催した。豆腐業界で初めて、直接、消費者に豆腐のおいしさと消費拡大を訴えるイベントで、当日用意した1,500丁の豆腐を完売した。

この豆腐は、各県の地大豆(東京では生産量がごく僅かな日野産フクユタカ)を使い、参加した各組合が二百丁ずつ持ち寄って販売したもの。一丁200円と、量販店で販売される豆腐に比べ割高だが、午後3時には完売するなど大人気だった。

特に、安売りではなく、200円という豆腐を消費者に納得して購入してもらったことで、「安心・安全には、消費者は少々高くても良いものを求めている」と関係者の自信につながった。

そうした中で、「豆腐まつりでは、組合員はじめ各方面の方々が、一致団結することができた。これが、成功につながったが、今後もお互いが創意工夫して、より良い方向へ向ける努力が必要だと思う」とし、豆腐まつりを契機に、業界の活性化を図っていく考えだ。

町の豆腐店で構成される東京都豆腐商工組合の理事長に就任して3年目を迎えたが、2010年は団体法改正に伴う改革を行う「組合改革元年」と位置づける。

この間、都や中小企業団体中央会の指導を受けながら、組合内の企画委員会、特別委員会で審議してきた。具体的には、理事任期を従来の3年から2年とするほか、員外理事の設置、専務理事の選出などを内容とした定款改正を行う。すでに09年12月の理事会で承認され、今後、総代会に上程し正式決定の運びとなる。

この間、1年間で70軒前後の豆腐店が廃業し、現在の組合員は800人を切るまで減少した。環境は厳しく楽観はできないが、さまざまな改革を進め、組合と業界の生き残りを目指す。

実は、自身が昨年9月に脳梗塞で入院したが、日ごろ豆腐と言う健康食を食べ続けてきたおかげで、短期間で復帰できた。その中で、健康と食の大切さを実感した。「今、健康に良いもの、美味しいものを作れば、まだまだ売れる。健康には豆腐は欠かせず、製造と店頭小売に努力すれば、豆腐業界はまだまだ明るい。店頭に設備投資し、もっとおいしい豆腐を作って売上を増やすよう、組合員には意欲的に取組んでいただきたい」と語る。(1/28)

柳本恵三(やなぎもと・けいぞう)
1937年生まれ。52年に先代が豆腐製造を創業。江東支部長として89年から組合本部理事を務め、98年に副理事長(常勤)、07年5月に理事長(常勤)に就任した。地元で青少年の剣道の会をボランティアで指導し、会長を務めた。趣味はクレー射撃で、40年以上続け、地元の城東鉄砲安全協会の会長を務めるスポーツマンだが、「自分の健康に“過信”してしまった。健康第一を痛感している」という。