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この人の出番

CMA経験活かし、ドイツの食を日本へ発信 エルフェン 代表 森本智子氏

「ドイツには日本で知られていない美味しい食べ物がまだたくさんある。CMAでの仕事が面白かったので、解散するなら自分でやってみたいと思った。他の仕事は考えられなかった」。

約5年勤めた経験と、この間築き上げた日本やドイツでの人脈を活かせる仕事がしたいと一念発起。CMA本部解散の話が出る中で独立の思いが湧き上がり、トレンダーズの女性起業塾に応募、約3カ月の研修を受けた。「同世代で起業するメンバーに出会え、世界が一気に広がった。ネットワークはもちろんのこと様々な産業の人と接し視点、考え方など刺激を受けた」。

また、起業した仲間と話すことで、自分のやりたいことがより鮮明になった。CMA時代は中立な立場のため出来なかった個別起業の仲介、消費者向けへの情報発信など具体的にやりたい内容がはっきりしてきて、起業へ踏み出す決意につながった。

今年1月、自宅に事務所をかまえ株式会社「エルフェン」を設立。同時に「ドイツ食品普及協会」を立ち上げ、塾仲間にデザインしてもらった顔入りプレッツェルのロゴを掲げ、活動準備中。「エルフェン(妖精)にしたのは画数が良かったことと、言葉にピンときたから。ドイツの食と日本の消費者の架け橋的な存在になりたい思いを込めた」。

既に数回ドイツへ出向き、食品関連の展示会などで日本へ輸出意欲がある企業とコンタクトをとったり、日本での紹介手段を考案したりの日々。起業前に立ち上げたブログで、ドイツの料理や日本市場にあるドイツ菓子、チーズ、ワインなど食品の紹介もしており、ドイツの食品が消費者の目に触れる機会も積極的に作っている。「ビールとソーセージ、ジャガイモだけではないドイツの魅力的な食べ物、新風を送り込みたい」。

貿易実務のほか、駐日代表に付いてフーデックスで日独の企業の紹介業務や前後の準備を担当した経験がベースにあるため、食品に関するある程度のことなら対応できる力量は十分にある。「3年後位をめどにドイツの食のことなら当社に聞けばなんでも分かる、というポジションを築きたい」。

そして、今後意識していくのが、地方への情報発信。潜在的な需要はあるとしてイベント企画を持ちかけるなど商流を作りたい考えだ。

今年はミュンヘンで開催されるオクトーバーフェストが200周年であり、来年は日独交流150年という大きな節目を迎える。これら周年行事にからめ、様々な飲食の場で日本未入荷の食品をPRする絶好のチャンスでもある。「オーガニック先進国という切り口からも訴求力は大。自然環境や人々の健康に配慮したビオ商品も発信したい」。

個人的には「ライ麦ベースのパンが一番好き」で、ドイツの食材だけを使った朝食提案を実現するのが直近の願い。「徐々に問い合わせが増えてきて人脈も広がり、今仕事がとても楽しい。フーデックスでは全日ドイツブースでPRに努める」。(2/4)

森本智子(もりもと・ともこ)
1971年埼玉県生まれ。学生時代にドイツ・ボンへ留学し、その後旅行会社に勤めるなど11年滞在。帰国後、ドイツの友人の紹介で05年2月にCMAドイツ農産物振興会日本事務所へ入社した。フーデックスでの日独企業の仲介、現地へのプレスツアー、農産物とワインやビールとのコラボ企画などを担当し、マーケティング・マネージャーを務めあげる。09年末、本部の解散に伴い独立の道を選択、今年1月にエルフェンを起業した。