5年連続で日本市場における輸入豚肉のシェアナンバーワンを果たしたアメリカン・ポーク。昨年を振り返って米国食肉輸出連合会(USMEF)のフィリップ・セング会長は、「2009年はやれやれという気持ち」と語る。ポークについては、「大変良い状況で推移した。09年のポークの対日輸出は約29万tとなり、5年続けて日本市場でシェアナンバーワンを確保することができた」とひと安心の様子。そして今年の対日輸出は、「ビーフは10万t、ポークは30万tが目標」と語る。
一方ビーフについては、09年の対日輸出は前年比28%増の約7万tと高い伸び率となったが、「課題の多い大変な年だった」と振り返る。月齢条件の見直しが進まないことへの複雑な思いも。
そして、「2010年の日本経済も課題の多い年」と予想する。その要因は、「昨年のスーパーの売上げは前年比4.3%のマイナスとなり、外食も1.5%のマイナスとなるなど、小売も外食も低迷している中で、政治情勢も不透明感があるから」と指摘する。かなり鋭い指摘である。我々日本人でも、政局の先行きは予測しにくいが、外国人から見るとさらに分かりにくいはずである。
この不透明な情勢の中で懸案の牛肉問題については、「両国政府に対して可及的速やかに交渉に入ってもらうことを切に要望している」「米国のサプライヤー、加工業者、輸出業者は日本の厳しいニーズを満たす努力をしている」とし、「日本政府は、科学的な根拠に基づき話し合いを行う、ということに対しては、我々にとって歓迎すべきこと」と語り、早期の問題解決に期待を強める。
また、「USMEFの“We Care”キャンペーンが成功して効果を上げていることを心強く思っている」とも語る。実際、消費者を対象とした調査でも、日本の消費者の米国産牛肉への信頼は確実に高まり、ポジティブな形で見てくれるようになっている。
ポークについては、「5年続けて“選ばれてナンバーワン”となった。日本の消費者がアメリカン・ポークを選んでくれたことを大変喜んでいる」と語る。ソーセージなどの原料となる豚肉調製品の09年の対日輸出も順調で、10万tを突破し、前年比では30%も増加した。
そして、2010年の対日輸出については、「ビーフは10万t前年比40%アップ、ポークは30万t4%アップを目指す」と語る。今年の日本経済、政局は不透明感があるものの、「ポークについては、引き続き“選ばれてナンバーワン”を維持していく。ビーフは信頼が高まり、アメリカン・ビーフへの関心も高まっているの。今年も、この日本市場で良い仕事をしていきたいと思う」と、日本市場での需要拡大に積極的な姿勢を示す
ポークのシェアナンバーワンは勿論のこと、ビーフについても突破口を開き、低迷している小売市場、外食市場の活性化を図ってもらいたいところである。(3/18)
フィリップM.セング
1949年米国アイオワ州生まれ。74年アリゾナ大学卒(修士号・東洋学)。82年にUSMEFのアジア地域担当理事に就任し、東京で6年間勤務。日本の牛肉市場開放に重要な役割を果たし、日本の流通制度にも精通し、日本の業界や政府とも密接な関係を構築。88年にUSMEF本部(デンバー)の国際プログラム担当シニア・バイス・プレジデントに就任、90年に会長・CEOに就任し現在に至る。


