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この人の出番

「鉄板蒸し」で野菜摂取促進に新たな切り口 ミツカン 製品企画部 檜山猛氏

ミツカンの今春の新商品「鉄板蒸し」が、流通各社から大いに注目されている。冬季の鍋メニューに代わり、春からの野菜摂取を促進する全く新しい切り口の調味料であることが理由。4月からテレビCMの投入が決まるなど同社期待の商品だ。

製品企画部の檜山さんが中心となって開発した。「鍋つゆが好調な要因の一つが、子供に野菜を食べさせたいというお母さんの気持ち。でも鍋シーズンは冬だけ」。そこで考えたのが蒸しメニューだった。「当社でも蒸ししゃぶを提案していたが大人向けメニューだった。もし、しっかりとした味付けの蒸しメニューができれば家族団らんメニューを提案できるのではないかと考えた。ちょうど外食などで蒸し調理が出てきたこともチャンスと見て09年秋から本格的に取り組んだ」。

開発の基本方針は子供を含む家族団らんで楽しめる囲みメニュー。野菜はもちろん、肉や魚介などバランスのとれた食材を使い、簡単調理ができること。熟慮の末、到達した基本設計は普及率の高いホットプレートを使うこと。ホットプレートに食材を並べ、商品(たれ)をかけて蓋をして加熱すれば出来上がる。しかし完成には苦労もあった。

「3~4人用を基本としたが、どんな食材を使っても、おいしく食べられるたれの量が問題。さらに粘度が小さいとプレートに落ちてしまうし、大きいと素材に絡まない。何回も繰り返した」という。フレーバーは何十種類も試行した中から「スタンダードな甘辛みそ味、夏向けの焼肉のたれ味、そして子供に人気のトマト味の3つを選んだ」という。トマトはピザ風の香辛料を使っているので「生トマトが苦手な人でもOK」。容器はスタンディングパウチ。「簡単調理というコンセプトでは使いきりが合うのでパウチにした」という。

商品が完成しても問題となったのがネーミング。「メニュー自体が全く新しいので、それを訴求する名前が欲しい。お客様目線で考えると、まず作り方を伝えたい。そこでホットプレートを使うことの象徴として『鉄板』を選んだ。鉄板はすでに定着しているので囲みメニュー、味付けなどはこれで訴求できる。それに『蒸し』を組み合わせた。そしてシンプルに頭に入る『野菜ガッツリ』をサブタイトルにした」と語る。

2月18日発売だが、想定以上の扱い店数となり2月の出荷は計画のほぼ倍、3月に入っても順調だ。「今人気の蒸し調理の新メニューで、野菜がたくさん食べられるとバイヤー様に非常に高く評価していただいた」ことから配荷は大手量販にはほぼ決定し、一部コンビニエンスストアにも入る。売場は鍋つゆの後やたれ、メニュー専用調味料などチェーンによってさまざまだが、これこそ新タイプの調味料の証しだ。

当然、「野菜ガッツリ」なら生鮮品との連動販売となるが、「野菜と組み合わせた仕掛けを考えている。畜肉売場と組んでみようかという量販店さんもある。調味料単体より連動販売に力をおきたい」。さらに「また、このメニューは蓋をあけたときの華やかさがポイントなので試食販売も積極的に展開する」と販売法にも考えが及んでいる。(3/25)

檜山猛(ひやま・たけし)
1974年愛知県出身。98年入社。東京支店の営業からスタートし店頭プロモーションなどを担当。04年から開発部門に異動。07年からは鍋つゆ担当となり、今シーズンの新商品「〆まで美味しい」シリーズ3品を開発した。休日にはフットサルを楽しむ行動派。