ホーム > この人の出番 > 第119回 日本居酒屋協会 理事長 山本浩喜氏

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この人の出番

「検定」広め飲食店を活性化 日本居酒屋協会 理事長 山本浩喜氏

個人・中小規模の飲食店の再生や、新規開店を目指す人の支援、調理技術を中心とした検定試験を通じて、居酒屋業界の活性化につなげようと、このほど設立された社団法人日本居酒屋協会。その理事長に就任したのが山本浩喜氏だ。飲食店の経営や業態プロデュースを通じて培ったノウハウを生かし、同じ志を持った仲間とともに、業界の発展に全力を注ぐ。

大学卒業後に就いたIT関係の仕事は精密機械を扱い、少しの間違いが莫大な損失につながる業界。そんな厳しい環境に身を置く中、飲食店に興味を持った。自分が属する「ちょっとしたミスも許されない」業界とのギャップを感じたからだ。

「しっかりした店もあるが、例えばやきとりなら、焼き過ぎても焼き直します、で済んでしまうような店もある。もっと飲食店をインフラ化・システム化していけば面白くなるのでは」と考え、31歳で会社を退職。1年間の準備期間を経て、やきとりやお好み焼きの持ち帰り店を愛知県一宮市にオープンした。この成功を元に、やきとり専門店「備長扇屋」、「日本橋紅とん」などの繁盛店を開発し、多店舗化を進めた。

一方で、ただ店舗数を増やすことに疑問を持つ。「多店舗化が目標ではなく、いい店を1店1店作りたかった」と原点に立ち返り、事業会社を他の外食企業に売却。現在は店舗プロデュースや店舗の再生事業を中心に活動する。

協会を立ち上げた最大の目的が、調理技術や安全・安心などを担保する基準を「全国レベルで統一化していく」ことだ。日本の飲食業界は開店のハードルが低く、参入しやすい反面、飲食店経営における基本的なインフラの標準化がなされていないのが現状。大手チェーンが独自に基準を構築していたとしても、業界全体には広がっていない。商品1つをとってみても、「メーカーはISOなどの認証を取得しているが、そういった商品を仕入れ、最終加工する店側が準じてない」と指摘する。

その標準化のとっかかりになるのが、今年の秋からスタートする協会事業「焼き師技能検定」だ。実技テストでの衛生管理、食材管理、焼きの技術について、それぞれの段位検定の要求を満たした人を協会が認定する。同氏は扇屋時代から、社内で同じような検定を実施していたという。検定によって一定の基準を設けることで、従業員、店舗のレベルアップを図り、これが広がれば業界全体の活性化につながる。

「ノウハウを持っているマスコミとも協力して全国的に広げ、将来的には国家試験のようなものにしていきたい」と山本理事長。今後は調理以外にも検定を広げていく方針だ。

夢は世界に正しい日本の食文化を発信すること。「海外に日本の食文化が曲がったかたちで伝わっているように思う。例えば、純粋な『焼鳥屋』を、本物のかたちで広めていきたい」と語る。

「検定があれば海外進出される日本人の役にも立つのでは。逆に海外の人が焼鳥を勉強するのにも」と世界を見据えている。(4/15)

山本浩喜(やまもと・ひろよし)
1962年生まれ。フードコンサルタント・プロデューサー。凰コーポレーション代表取締役。中央大学法学部を卒業後、10年間IT業界の仕事に従事し、94年に飲食業界へ。「備長扇屋」「日本橋紅とん」など500店舗に及ぶ飲食店をプロデュース。