ホーム > この人の出番 > 第120回 千田みずほ 代表取締役社長 千田法久氏

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この人の出番

戸別所得補償で「米価下げ」を懸念 千田みずほ 代表取締役社長 千田法久氏

横浜市の米穀卸売業者、千田みずほ。米穀の販売から、弁当向け炊飯事業も手掛けるグループ会社だ。炊飯米を供給する子会社のジャンボリアは好調を維持しており、売上げに大きく寄与しているという。

同社の決算は11月期で、現在は第1四半期。前期(09年)の状況について、千田法久社長は「比較的順調で、計画通りだった。といっても、5%ほど低い計画。あまりにも変動要素が多すぎて意欲的な計画を組めなかった」とするも、売上げは「売り先が増えた分、前年度を4%ほど上回った」と話す。

ただ、一方で、「単価の下落は如何ともしがたく、利益面は計画通り前年度並みとなった。売り先が増えたといっても、大規模よりは中小規模の売り先をかき集めたようなもの。また既存の得意先のカバーエリアが拡大したこともある」と総括する。

炊飯子会社のジャンボリアについて「工場を新しくしたことで、キャパシティが広がった。それまで余裕がなくお断りしていたお客さんを受け入れるようになったため、売上げそのものは15%ほど伸びた。利益の伸びが12%程度にとどまったのは、単価が下がったことが大きい」としている。

今期(2010年11月期)ここまで4か月の業績は「可もなく不可もなくといったところ。まわりの値段が安い。平成20年産に引っ張られるように21年産も下げており、価格競争になりつつある。どこまで下げるか、ではなく、どこまで下げられるかを、検証しておく時期に入ったかもしれないが、もうすでにあまり余裕がない。売り先は、ある程度まで約束があるので、価格が下がったから即下げますとはならないが、量販店は別。状況を見つつ、慌てず騒がずじっくりいいものを作っていくしかない」と見通す。

今期は売上げ、利益とも前期比5%ほど増の計画を立てており、「前期が絞った計画だったため、達成できるのではないかと見ている。ジャンボリアは、逆に前期が良かったことからすると慎重な、同じく5%増の計画で、今のところ好調だ」。

また、今年度からスタートした戸別所得補償制度が米穀業界に及ぼす影響について、米価が下がると指摘。「少なくとも将来的に下がっていく方向にある。問題は同じ下がるのでも、急速に下がるのは好ましくない点だ。助成分を下げろなどと言い出す買い手は出てくるはず」と危惧する。しかし急激な米価の下げは何より「生産意欲を削いでしまう。農家を育てるためにやる制度という政策意図を十分理解し、節度ある、良識ある価格のメッセージを出すべきだ。もちろん役所にも、政策意図をきちんと伝達する努力が必要。せっかく政権交代して自由度が増したのだから、本音トークでメッセージを伝える努力をしなければ」と指摘する。

ただ、その一方で「政府は、価格維持のための政府買入をしないと言っている。その通りだと思うが、平成21年産から22年産にかけては、あまりにも極端に制度や環境が変わりすぎるので、何らかの激変緩和措置はあったほうがいい」とも。(4/22)

千田法久(せんだ・のりひさ)
1957年生まれ。上智大卒、82年・千田みずほ入社。84年・取締役、97年・常務、05年(平成17年)から現職。学生時代の趣味はサーフィンで、スラッとした長身、端正な顔立ちは人目を惹く。米穀業界でも指折りのダンディ。52歳。