ホーム > この人の出番 > 第126回 日本穀物検定協会 会長 山本徹氏

  • 新聞
  • 食品産業新聞
  • 日報
  • 大豆油糧日報
  • 米麦日報
  • 畜産日報
  • 酒類飲料日報
  • 冷食日報
  • 月刊誌
  • 米と流通
  • 麺業界
  • メニューアイディア
  • 出版物
  • その他出版物

この人の出番

検査業務のほか、新規事業にも注力 日本穀物検定協会 会長 山本徹氏

穀物の検査・検定業務など、食品の安全・安心を支える。山本徹会長は現在の事業概要について「名は体を表すではないが、米麦の検査・検定業務が主力で、それは今も存続している。発足した当時は、米麦の検査というのは、全体にまだ整備されておらず、それを当会でも体制化し、品質を保証する検査・検定事業を整えてきた。

当時は、米麦の検査業務は、当会でも高いウエイトを占める事業だったが、生産から流通、販売まで、各工程において技術が向上し、目覚ましい発展を遂げた。そのため、総体として検査業務のウエイトが低くなってきたのは事実だろう。

これまでのように、検査・検定に資金をかけなくても、安全・安心なものを生産する体制が整ってきた。今後も、米麦の検査・検定業務は事業の中枢であるが、これに限定せずに、農産物の安全・安心のためにできることを模索していった。米麦以外の穀物や農産物、水産物、中国との技術協定で取り組み始めた蜂蜜なども該当する。これらを網羅した安全・安心の検査体制を、人的にも、施設的にも全力を挙げて整備して、ニーズに応えていきたい」とする。

この場合の“ニーズ”とは「BSE、事故米、冷凍餃子など、食の安全を脅かす問題や、継続する産地偽装問題などに代表されるように、品質の保証、産地の品評という新しい検査・検定要求のことで、これはますます強くなっている」とする。

現在、米麦の検査業務は全体の6割で、残り4割は食品全体の安全・安心を担保する理化学分野になっており、ウエイトは高くなっている。「ただ、主食である米麦、特に米は基幹作物で、消費者の関心も高い。今後も、検査・検定業務の能力を高い水準で維持しながら、柱の事業として注力していきたいと思う」とする。

新規事業は、新たに施行された「米トレサ法」などをわかりやすく解説する“米アドバイス事業”。「業界の業務担当者まで、きっちりと理解してもらうためのもの。すでに実施したなかでは、とても好評で、講師の派遣が追い付かないほど。講師の育成もあるが、業界で不安に思っていることなどを解消するサービスとして注力していきたい」とする。

また、もはや業界のステータスともなっている、“米の食味ランキング”では、「産地の励みになるといってもらい、購入の手がかりとしても利用されている。近く、“特A”地域における米作り特集版(特Aへの道&米の生産流通消費の拡大)を出す予定」とも。

中国との協力事業である蜂蜜、ローヤルゼリーも好調で「リピーターが多く、ファンが増えている」。

昨年末に開設した“こっけん料理研究所”は、「非常に好評で、夜は定員がいっぱいになった。これまで、昼は予定が空いていたが、立地が良いせいか、企業や団体などが新商品のデモンストレーションなどに利用し始めている」ともし、楽しみな事業が目白押しだ。(7/1)

山本徹(やまもと・とおる)
1942年生まれ、山口県出身。66年東大法卒、農林省(当時)入省。農林水産技術会議事務局長、構造改善局長、林野庁長官など。99年に退官後は、農畜産業振興機構理事長、農村開発企画委員会理事長、日本食肉流通センター理事長などを歴任。穀検には2008年理事、09年6月副会長、同年9月から現職。