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この人の出番

トマト、ソース拡販へ手腕発揮 全国トマト工業会 専務理事 日本ソース工業会 専務理事 堤隆氏

全国トマト工業会と日本ソース工業会の専務理事に5月の総会で就任した。大学を卒業後、すぐに両工業会に入社しており、30年以上の工業会キャリアとなる。この間、トマト、ソースとも大きく伸びた時期もあったが、最近は国産加工用トマトの減少や、ソースの需要の伸び悩みなど課題は少なくない。新専務の手腕に期待がかかる。

まずはトマト。国産の加工用トマトの振興と、加工品の開発・品質向上などが工業会の目的の1つとなるが、「今は国産原料トマトの確保・維持が最大の課題だ」という。昨年の収量は4.2万t。ピークの77年には40万tを生産していた。

ピークの10分の1まで減った理由は、農家の高齢化や後継者難だが、「加工用トマトの場合は真夏の収穫作業が最も大変で、高齢者が敬遠する」のが要因。実際に生産者サイドからは、「定植や栽培管理だけなら作付を増やしてもいい。しかし、収穫はメーカーで手当てしてほしい」という声が強い。そこで収穫時の作業者対策として、学生アルバイトやOBの確保を同工業会の補助金を使って行っている。各メーカーも独自に行っているが、決め手にはなっていない。

さて、この対策だ。「1つは収穫労力を確保するシステムを構築すること。もう1つはもう1度機械化に挑戦すること。89年のトマト製品自由化を機に、国の補助金で収穫機の開発を行ったが、日本の栽培面積規模や天候がネックとなり、うまくいかなかった。技術革新が進んでいるので可能性はあるのではないか」と話す。

もう1つが新産地の育成。「温暖化を背景に、青森や北海道などの寒冷地が新産地として可能性があり、育成を強化している。しかし、逆に暑すぎて愛知など既存の大産地の収量が低下しているのが問題」ともいう。

一方、トマト加工品の需要は、野菜ミックスジュースが苦戦しているが、トマトジュースは堅調、トマト調味料はケチャップが底堅いし、昨年は鍋つゆがブレークするなどバラエティー化が進んだ。「直接的な消費拡大運動はできないが、ホームページなどでトマト加工品を訴求している」という。

一方、ソース(ウスターソース類)については、「生産量がここ数年、横ばいから微減となっており、消費拡大が最大の課題となる」。その理由はぽん酢やドレッシング、調理用ソースなど揚げ物や野菜用の調味料がバラエティー化していることだ。「そうした環境で我々はどうしていくか。ソースのアピールする部分を訴えていこうと思っている。ソースは塩分が高いと思われがちだが、実際は5~8%と意外に低い。次にノンオイルということ。これも誤解が多い。砂糖は味のまとめ役なので入っているがトータルではドレッシングやマヨネーズより低い」と述べる。

工業会としてはソースは何でできているかを訴えるため、毎年夏休みに親子料理教室を行っている。「地道にやることで、子供も若いお母さんもソースのことが分かってくれる。さらにソースを使った料理を作ってもらうことで万能調味料ソースをアピールしている」。

また、「最近は大阪の『二度づけ禁止の串揚げ』が元気で、それに使うソースが伸びている」。大阪だけでなく、首都圏にも広がっており、ソース業界として大きな期待を寄せている。(7/8)

堤隆(つつみ・たかし)
1952年福岡県生まれ。75年全国トマト工業会、日本ソース工業会入社。96年事務局次長、05年事務局長、今年5月の総会で専務理事に就任。健康法は歩くこと。千葉県佐倉市の自宅から駅まで雨の日でも朝晩20分歩いている。