ホーム > この人の出番 > 第132回 日本精米工業会 会長 古橋政弘氏

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この人の出番

避けて通れぬ環境問題 日本精米工業会 会長 古橋政弘氏

社団法人日本精米工業会は、精米工場の合理化と精米製品の品質向上をはかるため、技術的なサポートを手がける団体だ。就任3年目の古橋政弘会長、今年を「米穀業界の歴史的な転換点であると考えている」とか。精米工も昨年、設立40周年を迎えた。これを「節目として、新たな気持、新たな体制で取り組んでいきたい」とも。その言葉通り、今年の総会後、会内機構を「人事異動を伴わなくとも、機動的な担当業務変更を可能とする」体制に改めた。

その上で、基本的な方針を一言で言うなら、「会員、賛助会員の仕事に直結する課題、例えば技術的なこと、販売に役立つ裏づけ的な調査研究など、身近な問題を中心に事業を進めたい。もっと具体的に言えば、苦情処理相談、ライセンス制度の拡充、省エネ対策、温室効果ガスの削減といったようなことだ」となる。

ただし、技術的なこと、機械の性能向上、工場の効率的運営といったことは、精米工としてはむしろ当然、ごく基本的な機能と言える。故に今年、喫緊に取り組むべき課題は、「何と言っても環境問題」だ。

今年4月、「改正省エネ法」が施行された。今や地球温暖化を防止するための温室効果ガスの削減は工場経営者として避けて通れない課題だ。行政は、地球温暖化対策総合戦略を策定して、温暖化防止、環境保全の推進をはかっている。その取り組みが、「環境自主行動計画」だ。

食品業界では、すでに19の団体が取り組みを開始しており、「米穀業界としては農水省の指導を受けながら、私どもを窓口に取り組むこととしている。2005年度(平成17年度)を基準年度に、目標は2012年度(平成24年度)までにCO2(二酸化炭素)排出原単位(製品t当り)3%削減だ」。

もっとも精米工の調査によると、すでに07年度から09年度にかけて0.7%削減できており、残り3年で1.3%削減が、実際の目標となる。

すでに総会に報告、農水省に申請書も提出済み。会員に対し、この計画への参加を呼びかけているところ。「この計画は強制ではない。だが、繰り返すがCO2の削減は避けて通れないことだ。この取組みによって、自社の消費エネルギーや排出量を具体的に、部署ごとに把握できる。つまり削減ポイントが明確になるわけで、結果的にエネルギーコストを削減できると考えている。まだ検討中ではあるが、いずれは製品(米袋)に取組みを表示することで、消費者に直接アピールできる可能性もある」。

精米工場の担当者というと、とかく目先の技術的なことにとらわれがち。「それではダメだ。米穀の全体需給があって、その上で精米工場の運営が成り立っている以上、無縁ではいられない」と古橋会長は力説する。今年度のキーワードを訊くと、「食の安全・安心・信頼・省エネ・エコ対策」とスラスラ出てきた。何よりも重要なのは「『確かな物づくり』のため邁進することだ」とも。(8/19)

古橋政弘(ふるはし・まさひろ)
1941年、神奈川県横浜市生まれ。岐阜大農学部卒。65年全糧連(現・全米販)入会。総務部長、業務部長などを経て、95年から常務。この間、子会社である日本コメ市場の専務も。2007年退職後、1年間のブランクを経て、08年から現職。国内外問わず旅行好きで、1年間の「モラトリアム期間」中は「とにかくあちこち行った」のだとか。