新制度による認定公益法人への移行を目指す日健栄協(日本健康・栄養食品協会)は、会員増大、健康食品GMP及び「安全性第三者認証制度」の推進などを「2010年度からの短・中・長期運営改革の基本方針」に掲げ、改革を進めている。その推進役として7月、新理事長に下田智久氏が就任した。
保健医療、医薬品、生活衛生等に関連する科学技術の振興をはかるヒューマンサイエンス財団の理事長も兼務する下田氏は「厚生省(当時)時代、健康増進法の策定に携わった経験から食品、特に健康に係る食品に対する思いは、人一倍強いと自負している。当時は健康づくりということで、栄養・運動・休養を盛んに提案していた。私自身の原点と考えている、健康食品の消費者理解向上に向けた取り組み『安全性第三者認証制度』の推進に特に努めていく」と就任の抱負を述べた。
健康増進法は 厚生省(現厚労省)が2000年に制定した「21世紀における国民健康づくり運動」を具体化する法律で、03年に施行された。「厚生省の時、前々理事長細谷(憲政)先生と様々な話をするなかで、日本には健康基本法のようなものがない、ぜひ必要だと考え、健康増進法を作った。その経験が生かされ、今回の就任に至ったのでは」と理事長に選出された経緯を説明する。
健康食品の地位向上、消費者理解の向上、トクホ(特定保健用食品)の市場規模回復にと健康食品を巡る課題は散見されるが、同協会が一番に取り組むべき急務の課題としては会員拡大を挙げた。「会員の減少が最も大きな課題だと考えている。業界のニーズに合った協会にしていかなければ」とし、7月から申請受付の始まった「安全性第三者認証制度」の認知度向上に努めていく。「現在申請数は50件近くきている。問い合わせは多く、引き合いも強い状態にあり、消費者に安全な健康食品を提供する意味でも製造企業に同制度への申請を推進していきたい」。
唯一の認証機関として認定されている「安全性第三者認証制度」は、食経験の少ないサプリメントなどの健康食品の安全性を保障する制度で、事業者が安全性評価シートに従って原材料・製品の安全性を自主点検し、日健栄協がその安全性を審査・判定し、認証するもの。第三者による客観的立場から健康食品の安全性を確認することにより、その安全性がより一層確保され、信頼性の向上につながるとして期待されている。
これまでの経験をどう活かされていくのかという問いには、「健康増進法の策定経験をぜひ活かしていきたい。理事長を兼務するヒューマンサイエンス財団ではゲノム、DNAなど最先端の技術を駆使し、疾病だけでなく、食品の研究も一部行っているので、その経験もプラスに活かすことができれば」と展望を語った。国民の健康づくりに努めた経験を、健康食品の地位向上と消費者理解に向け、最大限尽力していく。(9/2)
下田智久(しもだ・ともひさ)
1944年生まれ、熊本大学医学部卒業。69年厚生省(現・厚生労働省)入省。労働省労働基準局安全衛生部長、厚生労働省大臣官房技術総括審議官、厚生労働省健康局長など。02年社会福祉・医療事業団理事、03年福祉・医療機構理事、05年ヒューマンサイエンス振興財団理事長。10年7月から現職。趣味は週末に楽しむテニス。


