生活習慣病や健康に気を遣う人口が増えるなか、自分自身で栄養バランスを調整したり、メニューを考える手間を省き、かつ自宅に配食するサービスへのニーズが急増している。冷凍惣菜セットの「気くばり御膳」「同シェフズバランス」をメーンに通販事業を行うニチレイフーズダイレクトもそのうちの1つ。顧客の声を直接汲み上げることができる事業として、ニチレイグループ内でも期待の高い分野だ。
今年4月に就任した新井裕社長は事業の現況について、「会社設立から1年半、商品ラインナップを強化することが最優先課題だった。現在『気くばり御膳』は28食、『シェフズバランス』14食となり、スタート時の2倍の構成になっている。お客様にとって自分の嗜好に合う商品探しは大きな喜び。今、ヒットしている7種の『魚セット』はその要望に応えた新しいシリーズだ。
中間流通が入る仕組みとは違って、お客様との直接の通じ合いが身上だ。次の商品企画も既に出来上がっている。タイミングを計って投入したい」と語る。
管理栄養士と有名4人のシェフが監修した『シェフズバランス』は『気くばり御膳』のアッパーグレード商品。ハレの日の食事やギフトとして利用するお客様も多いという。「客層は幅が広く、単身者と二人世帯が中心。所得は比較的高水準な世帯が多く、高齢者であっても高学歴の人が多いようだ」と分析している。
会員は毎月増え続け現在5万人弱いるが、会員増を重点にしているわけではない。「会員数の追求よりロイヤルカスタマーを得ることこそが大事。また、会員の売上単価も定期購入のお客様より不定期購入のお客様のほうが高い。会社スタート時から現在まで、売上げの拡大を追求してきたが、売上げにプラスしてロイヤルカスタマーへのサービスをいかに充実させるか、新たな段階に入る」。
ニチレイフーズダイレクトの事業は、ニチレイグループのミッションである『くらしを見つめ、人々の心の満足を提供する』を、明確に打ち出すことができる。「まさに食事によって健康を届けるソリューションビジネス。お客様は食事により病気治癒、健康維持、ウエートコントロールなどを実現する目的意識を持っている。商品を分かりやすく伝え、顧客満足度を上げてもらうことが重要だ」。
一方で、「メーカーとしての既存事業では、“マーケットシェア”という見方が根強いが、お客様個人の“生涯シェア”という見方が必要であり、この視点からお客様とリレーションしていきたい」との意気込みを語った。
「私の使命は通販事業を成功させること。健康サポート商品の通販事業を通してニチレイが支持されるようにする。商品を届けるだけではライバル企業との競争に埋没する。お客様が使い続けてくれる関係を構築することが成功への道だ。
もう一つは通販事業をインターネットの中で成功させること。当社の通販事業はウェブによる注文が35%以上と高いが、このウェブに特徴を持たせたい。サイバーマーケットの取り組みは将来的にニチレイグループのあり方の点からも重要であると位置付けられる」。(11/15)
新井裕(あらい・ひろし)1963年生まれ。89年ニチレイ入社。ニチレイフーズ商品本部健康価値事業部ウェルネスグループグループリーダーを経て、07年4月ニチレイフーズダイレクト社長に就任。
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