昨年11月に麦価が改定されたのを受けて、乾麺業界でも春夏商戦に向けて製品価格の改定が行われている。市場が縮小しつつある乾麺業界だが、今回の原料価格高騰への対応も含めて、市場活性化に向けた地道な取り組みが進んでいる。
価格改定については現在、多くの乾麺メーカーで交渉が進められている。乾麺はシーズン商品なので昨年11月の麦価改定の時には、すでにシーズンを過ぎており、この時点で商品や価格に反映させるのは難しい。中には通年商品などで価格を改定した企業もあったが、時期的にすぐに対応できない。
茂野会長は「当社(茂野製麺)も昨春は量目変更を行ったが追随してくる企業は少なかった。連合会としても値上げの必要性は訴えている」という。だが、価格改定に対する流通の対応は分かれている。
「小麦の値上げについては概ね理解してもらえた。だが、一部では値上げをしないという流通大手もあり、そういった大手に他が追随してしまうと不安」だという。
茂野製麺では量目変更・価格変更の両方で対応しているが、現在のところ取引がなくなるというようなことはないという。「この業界は小麦粉100kg がそうめん100kgになるような産業。包材や物流コストも上がっているなかで値上げは不可避だ。また、値上げが相次ぐ中でPB(プライベートブランド)商品だけは価格が維持されているが、振り回されないようにしなければならない」と適切な対応を求めている。
一方で長年の課題となっているのが乾麺市場の活性化だ。特に若者層の乾麺離れは、業界としての大きな課題。だが、茂野会長は若者層にも乾麺は人気だと指摘する。
「実際にはコンビニエンスストアなどで販売されるそうめんは売れている。調理麺として出すと評判がいい。だが、同じ調理方法のパスタは増加しているのに、ゆで時間の長いうどんなどは減産傾向にあるのも事実。乾麺という食材でどういう食べ方を提案ができるか考えなくてはいけない。例えばサラダ風うどん、ドレッシングの酢でしめられるため、うどんの弾力が長持ちしてよりおいしくなる。乾麺のメニューバリエーションにファッション性を持たせることで、消費者の意識を変えていきたい」という。
また、最近では乾麺などの日本食が海外で注目を集めるようになっている。日本食はダイエットなどに効果的なヘルシーな食文化だということで、農水省も日本ブランドを世界に売り込むための市場調査を始めた。「日本ブランドの輸出には行政も支援するようになってきており、輸出割合を乾麺全体の生産量の10%くらいまでには伸ばしたい」と意気込む。
全乾麺では昨年、7月7日の「乾めんデー」を「そうめんの日」に変更した。名前を変更することで、消費者に分かりやすい、PRしやすい環境を整えている。「今後も地道な販促PR活動を展開していく。昨年も全国各地の組合でご当地麺を使って流し素麺をするイベントを開催したが評判が良かった」という。
また、「当社でも地域住民を集めた乾麺のイベントを開き、昨年は1600人ほどの参加者が来てくれた。今まで600人くらいの参加だったのが急増したため、対応が大変だったが、こうしたイベントが定着してきたということだと理解している」と地道な活動に期待をよせる。(2/21)


