大学では獣医畜産学部に在籍。卒業後に食肉専門商社に入社した。ちょうど牛肉の輸入自由化が決定された。そこから激動の時期に輸入牛肉に関わっていく。自由化前後の貴重な実務経験は、次の職場であるカナダビーフ輸出連合会(CBEF)で即戦力として生かされた。
当時のCBEF駐日代表は、人間関係を中心としたネットワーク作りを推し進め、そこから業務を進めていった。それを安心してやっていけたのは、実務面でしっかりとサポートしていたからだろう。
米国食肉輸出連合会(USMEF)に移ってからは、さらに活躍の場を広げた。マーケティングマネージャーとして、外食を中心にスーパーや業務卸との関わりを深めていったのだ。
USMEFに入った当初、組織としてはまだ外食とのつながりはそれほど深くなかった。外食へのプロモーションの拡大、当時はまだ抵抗の強かった原産地表示の推進という当面の課題をクリアしながら、自分自身でも「食」への理解を一歩一歩深め、それに関われる喜びを感じていったと振り返る。
今年1月、食肉の輸入販売を行うエイメックス・ジャパンを設立した。現地パートナー企業との提携により、北米やオセアニア、その他各国より牛肉・豚肉などの畜産物を中心に、様々なブランドが有する価値ある日本向け製品の販売窓口として、それら製品の紹介、仲介業務を行っていく。
すでに、カナダの代表的なパッカーであるXLフーズ社の販売代理店となったほか、アメリカ産牛・豚肉、オーストラリアやニュージーランドの牛・羊肉企業の食肉販売も行っている。
「総合食品企業、外食企業の中には、食肉業務を行いたいものの、そのノウハウがないために思うような動きが取れないで苦心しているところもあると思う。そうした企業に契約ベースでのコンサルタント業務を行っていくことも考えている」
食肉に長く関わってきただけに、食肉の世界をはずすことはできないだろう。現に今の仕事は、これまでの経験がフルに発揮できるものだ。しかし、思いはそこだけにとどまらない。
「いろいろな形で“食”に携わり、“食の楽しみ”を実現していきたい。これまでは組織の中で動いていたので、ある程度の制約はやむを得なかった。これからはフリーの立場ゆえにできることを、積極的に提案していきたい」 話を聞いていて“食”への関心の高さがうかがい知れた。これまでの知識、経験をいかした食とのグローバルな関わりが期待できそうだ。
独立したばかりでいろいろと忙しいだろうが、ほかにやってみたいことはないか、と聞いたところ、「将来は自分でもレストラン経営をしたい」との答えが返ってきた。これからも吸収できるものは大いに吸収して、その夢を叶えてもらいたい。どんなレストランになるのか楽しみだ。(3/6)
見澤光貴(みさわ・みつたか)
1964年生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、88年ゼンチク(現スターゼン)入社。カナダビーフ輸出連合会(94年11月~99年5月)、米国食肉輸出連合会(99年6月~07年12月)を経て、08年1月エイメックス・ジャパン代表に就任。


