ホーム > この人の出番 > 第3回 日本製粉 福冨昇氏

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この人の出番

順調な事業に繋がる人材育成 日本製粉 常務取締役企画・業務本部長兼国際部長 福冨昇氏

日本製粉では、事業の多角化が急速に進んでいる。すでに中核事業である製粉部門の事業構成比は4割を切り、食品・国際部門の比率が高まっている。

 

こうした中、07年6月の役員人事で、日本製粉ではおそらく戦後初となる、生え抜き以外から国際経験の長い福冨昇常務取締役企画・業務本部長兼国際部長が誕生した。

 

福冨常務は「中期経営計画05−07を策定した3年前に比べ、現在の事業環境は大きく変わった。原料高、資材・輸入商品のコストアップ、川下デフレなどにより売上げが伸びない中で、千葉工場Dミルの償却負担がのしかかった。計画最終年度の今年度は、麦制度の改革元年に当たり、穀物の国際相場、為替相場ともに予断を許さない動きを見せている。しかし、その中でも今期の業績は売上げ、営業利益、経常利益とも順調に推移している」と語る。

 

厳しい環境の中で、事業が順調に進むのは、グループ経営の強化と人材育成の成果のようだ。

 

「日本製粉は多角化戦略によって事業領域が拡大した。そして、成長性高いグループ会社には、思い切って、日本製粉本体の役員・支店長・工場長クラスを投入。持分法適用会社のオーケー食品工業にも、現役常務が移籍し、更なる連携強化を図ることにした。そして、今年6月の役員人事でも日本製粉本体では、エネルギッシュでフットワークの良い若手社員らを役員に登用した」。

 

人材の育成・登用は全グループ規模で展開されている。

 

「日本製粉本体では、エネルギッシュでフットワークの良い若手社員らを役員に登用しているほか、中堅社員についても海外を含め順次、グループ内異動を行っている。異動により多くの経験を重ねるのは、人材育成の特効薬だ」

 

「私は国際部長も兼務しているが、入社以前も海外勤務が長かった。その中で思うのは、世界の変化は著しく、日本にいては絶対知ることができないダイナミズムがあるということだ。現在、当社グループで海外勤務している社員は例外なく力をつけており、将来が楽しみ。海外経験のない部長クラスには短期間でも海外研修をさせたいくらい」とも。

 

そのニップンのグループ経営の真髄はなにか。

 

「これは中央の統制を強化することではない。日本製粉トップが唱えるグループ経営は、例えばアメリカ合衆国の州のように、普段は自主自立し、いざとなったら直ちに国家として結束して事に当たるイメージだ。幅広い事業領域にまたがるグループ各社が、自活しながら連携することだ」。

 

海外事業も順調に育っている。

 

福冨常務は「北米西海岸地域での日本食拡大に対応し、06年には業務用食材・加工食品の販売会社を設立し、徐々に結果が出はじめている。また、タイでは、1994年に同国最大の製粉企業ユナイテッド・フラワー・ミル社に資本参加、96年にプレミックス販売の現地法人ニッポン・フラワー・ミルズ(タイランド)を設立、06年には新会社ニップン(タイランド)社を設立してバンコク郊外に年間1万2000t能力のプレミックス工場建設に着手した。この工場は07年秋に稼動の予定で、タイにおけるプレミックス事業がさらに拡大する」。(8/2)

 

福冨昇(ふくとみ・のぼる)

1949年生まれ、群馬県出身。71年一橋大学卒、日本興業銀行入行。99年アスキー代表取締役副社長。2002年日本製粉入社、03年国際部長、06年取締役企画・業務本部長兼国際部長、07年6月常務取締役企画・業務本部長。家族は妻と一男一女。趣味は読書。