昨年10月、スターゼンの子会社として分社化し、スターゼンインターナショナル(株)として新発足して半年が経った。輸入食肉をめぐる情勢が一段と厳しくなっている中で、この半年の業務の状況、そして今後の海外戦略などについて同社社長の片山学氏に語ってもらった。
分社化してのこの半年間については、「実務的な業務は問題なく移行できたが、その間に中国産食品の問題など、輸入・販売の環境は厳しいものがあった」とし、さらに、米国のサブプライムローン問題に発した景気後退、バイオエタノール需要増加による飼料穀物相場の高騰など、環境の大きな変化を指摘する。
これらの問題は、世界各国の食肉の生産コストに影響してくるため、「今後は、いかに供給先を確保し、安定的に輸入し、供給していくかが最大の課題」と語る。輸入(コスト高)と販売(値上げが通り難い)の板ばさみの状況にあるが、「この傾向は、今後さらに強まる」と予想する。“買い負け”とよく言われるが、「国際価格がそのまま日本の市場で受け入れられるかどうかが問題」と、国際市場と国内市場のギャップの拡大を指摘する。
新会社として発足してこの半年の業務は、厳しい環境下でも当初計画通りの推移となっているが、今後の課題については、「新会社設立時の課題であった海外の供給基盤の確立を推進すること」という。その一貫として、この2月にヨーロッパに事務所を開設し、これを一つの足がかりとしてヨーロッパ地域での供給基盤(当面は豚肉中心)の確立を図っていく。
そして、将来の供給先として有望視されている南米での拠点作りの準備も進めている。アジア圏については、「量はまだ小さいが、牛肉の輸出を足がかりにしてアジア圏での新たな事業の展開も考えていく」という。
現在、牛肉輸出は米国のみだが、同社グループの阿久根工場が今年秋頃には米国、香港向け輸出の認可が得られる見通しで、これを契機に牛肉のアジア向け輸出を本格化させ、同時に現地での新規事業の展開も模索していく。
食肉の専門商社として、海外の銘柄肉(イベリコ豚など)やこれから消費拡大が見込める食肉やサイドメニューとして使える調理済み食品などのラインアップも今後強化していく考えだ。また、親会社、スターゼンでは全施設での食の安全と品質の国際規格であるSQF2000の認証取得を進め、インターナショナルではこれにISO9001の取得を推進し、さらに「輸入品の検査強化、品質管理など、インターナショナル独自の管理システムを構築し、安全・安心な商品の供給を行っていく」という。消費者の食の安全・安心への関心が高まる中、この対応には万全を期している。
牛肉は、米国産牛肉の月齢条件見直しが足踏み状況、豚肉のフローズン物は産地高、そして鶏肉は、中国産加熱調製品の輸入問題、ブラジル産鶏肉の相場高騰など輸入をめぐる環境は不透明さを増しているが、まずは海外での供給基盤の確立と国内での安定供給を当面の最大課題として推進し、牛肉輸出を足がかりに海外での新たな事業展開を進めていく考えだ。今後の事業展開が大いに注目される。(4/3)
片山学(かたやま まなぶ)
1971年ゼンチク(現スターゼン)入社。2000年業務執行役員、07年常務執行役員兼スターゼンインターナショナル社長。


