ホーム > この人の出番 > 第34回 キユーピー サラダ・惣菜事業担当取締役 佐藤重郎氏

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この人の出番

サラダ主菜化戦略の先陣切る キユーピー サラダ・惣菜事業担当取締役 佐藤重郎氏

キユーピーの食品4事業の一つである「サラダ・惣菜事業」の担当取締役に2月から就任した。畑中凱夫前専務が兼任していた部署で、専任の取締役としては初代となる。「これまでの惣菜関連事業はグループ会社各社が個別に活動していたが、これを一つのグループとして横串を刺して連結させ、グループの1事業として同じ方向を目指す」と新担当取締役として事業部の方向性を語る。

 

キユーピーグループのサラダ・惣菜事業は、製菓・製パン業の要請に応えてサラダやタマゴスプレッドなどを約30年前に開発・販売したのがきっかけ。その後、子会社の設立などで事業を拡大、ポテトサラダ類、各種惣菜、カット野菜、漬物類などを量販店バックヤードや惣菜業者、さらにはCVSベンダー等に提供している。現在、デリア食品、サラダクラブ、菜華など8社合計約30工場で生産しており、昨年11月期の売上は連結売上の約20%にあたる962億円に達している。一部はキユーピー本体で販売しているが、ほとんどは各子会社での販売となる。

 

子会社主体のサラダ・惣菜事業は順調に成長してきたわけだが、4年前、少子高齢化や家庭内調理の減少などの変化に対応し、さらなる強化の必要が生まれた。そこで「個々の展開ではなく、8社の特長にキユーピーの技術力、商品開発力を結集することで、新しい商品、販路、機能などを付加する方針を打ち出した」と語る。研究所内には「惣菜開発センター」を開設し、そこを中心に開発するようにした。

 

キユーピーグループが近年進めているのが「サラダの主菜化」だ。「量販店にはカット野菜をメインに魚介類、肉類、タマゴ素材などを加えて、シーザーサラダ、コブサラダなどを1品料理として提案した。野菜売り場から惣菜、生鮮売り場等への拡大にもつながる。外食産業に対しても、1品料理としてのサラダメニューを提案する。一般的な料飲店だけでなく、居酒屋やカフェなどにも展開できる」と、サラダ主菜化戦略の先陣を切る。もちろん「野菜をたくさん食べて欲しい」という同社の考え方が基本にある。

 

今後の大きな方針として健康訴求と簡便化への対応の2点をあげる。「健康訴求についてはグループ全体の技術力を生かして行きたい。例えば、キユーピーハーフやディフェを使ったサラダ、惣菜がある。すでに一部が商品化されているが、より強化したい。また当社の持つ健康素材のヒアルロン酸の応用も有望だ」と語る。さらに「大人にも増えているアレルギー症の方への専用惣菜、在宅治療の方への介護食品的な惣菜類にも挑戦したい」。

 

簡便化では家庭用の新しいレンジアップ商品を考えている。「専用のトレイに材料、調味料などをセット、家庭内でレンジアップして惣菜を作ってもらう。一部の量販などでテスト販売を開始した」という。「とにかく中食分野でのユーザーニーズは多岐にわたっている」とし、料理という形での提案はこれからどんどん広がっていくだろう。(4/24)

 

佐藤重郎(さとう・じゅうろう)
1949年山形県生まれ。67年キユーピー入社、94年デイリーメイト社長、02年デリア食品専務、05年同社社長、今年2月から現職。趣味は海釣り。「毎年夏に大船渡港からカジキを狙ってトローリングに出るのが楽しみ。去年、5年目で初めて1本あげた」。座右の銘は「人間万事塞翁が馬」。息子さん3人は独立して今は奥さんと2人暮らし。