「原材料高や少子高齢化といったアゲインストの風のなか、小売などの流通全体や外食、サービス業が苦戦している。食べる量が減り、胃袋の争奪戦となるなかで、日本のフランチャイズ(FC)規模は2000年から伸び続けており、FCビジネスモデルは日本に定着したと言える。まだまだ伸びるシステムだ」。
FCビジネスの潜在的な市場拡大余地。その可能性について、静かに、そして確かな熱意と自信を持って語ってくれた。
日本フランチャイズチェーン協会(JFA)はスーパーやコンビニエンスストア(CVS)などの「小売業」、ファストフードチェーンなどの「外食業」、レジャー・レンタルサービスなどの「サービス業」を営み、FC展開するフランチャイザーなどが会員の公益法人だ。2期目の任期半ばで辞意を表明した前会長の加藤充氏(ユニバーサルホーム代表取締役)に代わり、8日に開かれた第324回理事会で選任され、同日JFA会長に就任した。
JFAによると2006年度のFCチェーン総売上高は前期比1.1%増の19兆6035億円になる。直営とFCを含めた全体的な業種別の市場規模をみると、外食などシュリンクが続いてきた産業もあるなか、FCビジネスは毎年右肩上がりで伸びてきた。
就任あいさつで土方会長は「FC業界全体の規模は堅実な推移をしている。消費者、生活の多様化をうけ、業種・業態の広がりと深耕が見られた。このようにFC業界が成長してこられたのは、本部と加盟店が互恵関係を保持しながら競争し、顧客価値の最大化および新社会の期待に応えてきたからにほかならない。さらにFCそのものが革新的で、合理的かつ効率的なシステムであるとの支持が定着してきた証左とも言える」と自信を込める。
少子高齢化などに伴い、各種産業のパイが縮小することは確実だ。そのなかでFCビジネスはまだまだ伸びるという確信がある。そのためには、売上げの拡大はもちろん、環境問題や地域における社会活動などに対し、業種・業態を越えた連携が重要だと主張する。
「(FCビジネスを)伸ばす方法については、例えばCVSのいいところを他の業種に使う、あるいは異業種とコラボレーションするなどの取り組みによって、大きくしていきたい。大きなテーマである環境問題などについても、協会で(会員と)力を合わせて行政と議論するなど協力することができる」。
競争と協調を同居させることが必要と説く。業界全体が抱える大きなテーマに、小売、外食、サービス業の各業種から意見を吸い上げ、会員全体で課題に立ち向かうことこそが、土方会長が目指す方向性だ。
「これまでCVSのFCビジネスを行ってきたが、自らが(FCを)知っているだけに、もう一度原点に戻ってやっていきたい。顧客、フランチャイジーの満足度を高めていくことが重要だ」。(5/15)
土方清(ひじかた・きよし)
1945年生まれ。1969年に西川屋チェン(現ユニー)入社、76年同社サークルK・ジャパン事業部企画室室長。86年サークルケイ・ジャパン(現サークルKサンクス)取締役、90年常務取締役、96年専務取締役、2000年代表取締役専務。01年サークルKサンクス代表取締役社長、07年取締役会長。


