抗ストレス効果などで知られるGABAが豊富で栄養価が高い発芽玄米。その普及促進を目的に2004年に設立されたのが日本発芽玄米協会だ。池森賢二会長は発芽玄米の販売シェア6割を誇るファンケルの名誉会長でもあり、設立から現在に至るまで日本発芽玄米協会の会長として普及促進に努めている。
ただ、協会発足からここまで、発芽玄米の全体売上高は年々減少を続けている。池森会長は「これほど売るのが難しい商品はない。価格を下げても無理。あれもやりこれもやり、どうしても(消費者に)理解してもらうのが難しい。努力が足りないところもあると思うが、素晴らしいものであるのは確か。とにかく何か頑張っていかないと」としている。
実際に昨年4月から、ファンケルの発芽米をこれまでの価格から2割値下げをした。協会では有識者数名を招き、普及プロジェクトを立ち上げるなど「資金も相当使って」普及に努めた。学校給食への導入も図り、「発芽玄米・健康ガイドブック」を10万部作り、栄養士など給食関係者に配布した。昨年一年間で様々な取り組みを続けたが「これといった成果が出ない」状況となった。
しかし、今年は違う。池森会長は「幸か不幸か、世界的に食料が高騰している。日本でも小麦粉価格が昨年は3回ほど値上がりし、パン屋やうどん屋は価格転嫁がなかなかできないが、いずれ消費者へくる。これを幸いといってはいけないが、チャンス到来とは思う」としている。
そして、今年を普及のチャンスと捉えるもう一つの理由を「メタボ」とする。「4月から40歳以上は検診(特定健康診査、特定保健指導)が義務化になり、発芽玄米は栄養価が高く、メタボに適正な食物。これも一つのチャンス。これを活かして今年度こそ思い切って普及したい。待ちに待ったチャンスの到来」と意気込む。
事実、この4月から大手コンビニエンスストアのファミリーマートで、協会推奨の「発芽玄米おむすび」を販売。他のコンビニや量販店からも栄養価の高い食物として、アプローチは多いとする。また、小麦粉の代替としても注目される米粉としての提供にも取り組んでいる。発芽玄米を“粉”にして使うことで「加工食品に利用するとおいしい。小麦粉にとって代われる。(この秋には発芽玄米を使用した)加工食品展を大きくやっていきたい。粉として使うと、味は良いし、栄養価も高い」とアピールする。
また、食の安全が「今ほど高まっていることはない」とし、その担保として、協会では発芽玄米の自主規格基準を設定し、認定証の発行、商品に添付する認定マークを制作する。
この他、昨年配布した健康ガイドブックも、より手軽に活用できる形で発行を続け、メタボ対策の実施機関など配布量を増加させる計画だ。学校給食への普及も引き続き行い、各種団体と連携した食育事業にも積極的に参加していく。協会では今年度、様々な取り組みのため、会費を引き上げて望む。
その先頭に立つ池森会長は「あきらめるのは早い」と意欲的だ。(5/29)
池森賢二(いけもり・けんじ)
1937年三重県伊勢市出身。59年小田原瓦斯入社。81年ファンケル設立。04年日本発芽玄米協会会長。同年ファンケル取締役会長。06年ファンケル名誉会長。


