前期は商品企画部長として、主にとんかつのパン粉の改良に力を入れた。改良を加えたパン粉は目だちが良く、外食店をベースに評判となり、『新やわらかローストンカツ』を中心に伸びて、トンカツ全体で昨年比4.7%増の好成績につながった。
さらに新タイプのハンバーグも順次開発に努める。特に一昨年発売した「ヴィアンド」は07年度の売上高も前期比29%増と全体をけん引したが、次の段階のハンバーグの検討に入っており、「価格的にもう少しきちっとして、ヴィアンドよりさらに美味しい商品を開発したい」と力が入る。
より高付加価値をつけていくためには、安くて良い商品作りとともに時代の流れを掴むような高価格商品こそ必要という考え。
「ヴィアンドが売れているうちに、他のメーカーが作れないような次の商品開発こそポイント」と商品企画部長らしい自信を見せる。
そして、焼きうどんの開発も手がけた。これは好評な「焼きソバ」が冬場にはどうしても低迷してしまうことから、新たに「焼きうどん」シリーズを新発売することで、めん類全体をカバーする形につなげた。
同社の08年度は、昨秋に実施した値上げ効果による利益確保に努めながら、設備投資を前年以上に行なう。特に外食分野では大口企業へのアプローチや、老健施設など病院関係を含めた介護食品の開発に力を入れていく考えで、全体の売上高は前年比5%増を計画する。
業務用冷凍食品の07年度の売上げ高は前期比約2%増の着地した。特に前期は大手流通と提携したためアップダウンが激しく、後半になって影響が強く出た。昨年10月に平均7.5%の値上げを実施したが、今年1月に起こった中国製冷凍ギョーザ事件の影響による第4四半期の嵐を乗越えて、今年4月以降は回復基調となり目標達成の目途は出ているという。
なお、業務用冷凍食品の07年度業績を分野別に見ると、惣菜と外食分野は堅調に推移した。しかし給食分野は、販路の学校関係が下期に予算に厳しくなった。特にデザートが予算の引き締め対象となり、前年比0.8%減と苦戦した。
ただし、デザートでもカップ類は5%減少したが、ロールケーキなど焼き菓子類は6.8%増と伸張した。一昨年から始めた焼き菓子商品がようやく定着しつつある。苦戦するカップデザートは、「今期は容量が30g前後の安価なもの、価格を抑えた新商品などを開発していく」とし、巻き返しを狙う。
今後は「他社が持ち得ないような品位の商品開発を実現したい」と重点品の品位向上に意気込む。
ただし、原料資材の高騰に対応するのは最重要課題で、こちらは中国産問題も含め、「原料関係が多いので売上げよりも利益優先で対処する。外食分野では新しい業態に深耕していく必要もある。再値上げは厳しい。先ずは昨秋の値上げ分を認めてもらうことが第一」と謙遜した。
ラインの効率化など生産効率化を目指し、昨年の設備投資額10億円を超す投資を行い商品開発を強力に推し進めると決意は固い。(6/26)
向井照明(むかい・てるあき)
1949年岡山県生まれ。74年日東ベスト入社。00年商品企画部長、01年取締役商品企画部長。趣味はデジカメに凝り写真に造詣が深く、ガーデニングに汗を流す。ドライブは毎月1~2度、夫婦で遠出もする。座右の銘は「真実の瞬間」。形だけでなく真実を見極め顧客サービスにつなげる発想という。


