この5月23日に家畜衛生条件が新たに締結され、ドイツ産豚肉の日本での輸入が7年ぶりに再開されることとなった。豚肉の対日輸出再開に当たって、ドイツ農産物振興会日本事務所代表のキースリング・マティアス氏は、「日本での豚肉のPR活動も展開し、当面の対日輸出量は、禁輸となる前の年間8000トンを早期に達成し、中長期的には大幅増を目指す」と、今後のドイツ産豚肉の対日輸出への期待を語った。
この5年間のドイツの農産物の対日輸出は「大幅に増加している」という。具体的には2002年の対日輸出額は2億8500万ユーロだったものが、2007年には4億6700万ユーロと64%も増加している。
対日輸出品目は、植物系のものではライ麦や砂糖、ホップ、ワインなど。動物系のものではバターやチーズ、食肉製品(過熱製品)が中心だ。
「今回、豚肉の輸出が可能となったので、さらに輸出額の増加が見込める」と語る。ドイツ国内での対応については、「ドイツの衛生当局から対日輸出の認定が行われたと畜、処理・加工業者は260社にも及んでいる」とし、「後は日本政府の認定が得られれば、輸出が可能となる」とし、この秋口にも再開されることを期待している。
ドイツはEUの中で最大の豚肉生産国。06年の豚と畜頭数は5011万頭で、前年比3.9%増加。07年豚肉の輸出量も前年比18.3%増の149万5000tと、生産量も輸出量も好調に推移している。「この流れに乗って対日輸出も伸ばしていきたい」と意欲的だ。
輸入再開を目前に控えて、日本でのPR活動の準備を着々と進めている。当面は豚肉カットの日本語版を作成し、今年9月下旬にデュッセルドルフで開催される国際食肉展示会の「Inter Meat2008」では、日本の来場者を対象としたレセプションを開催する予定。「このレセプションは、船を借り切って船上で行うことにしており、日本の輸入業者とドイツの輸出業者の交流の場としたい」としている。
また、11月には日本で食肉関係者を対象としたセミナーも開催、来年3月のフーデックスでは食肉のブース出展し、4月の食肉産業展にも出展する予定だ。
ドイツの豚肉の特徴については、「セキュリティーシステム、トレーサビリティシステムが完備しているのに加えて、味に自信がある」と語る。ドイツの豚肉は、他の国の豚肉と違って、脂肪の層がしっかりしており、これが味の良さにつながっている。日本人の嗜好とも合っているため、日本のユーザーからドイツ産豚肉を希望するところが多いという。バラ肉は、焼き豚や豚角煮などに向いている。
また、豚肉だけでなく豚肉加工品の品質も高い。原産地保護証明を受けた生ハムやサラミなどもあり、豚肉とあわせてこれらの製品もPRし、拡販していく方針だ。(7/3)
キースリング・マティアス
1956年ドイツ生まれ。ゲッティング大学で農学とマイクロバイオロジーを専攻し自然科学博士号を取得。ドイツ大手の科学薬品医薬品メーカーのマネージャーを経て、1988年から93年にかけて東京の科学薬品会社に出向。2002年から06年には日独合弁の化学薬品会社の副社長、08年3月にCMA日本事務所代表に就任。妻は日本人。


