ホーム > この人の出番 > 第45回 全国製麺協同組合連合会 会長 安田征伍氏

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この人の出番

時代に即した経営が必要 全国製麺協同組合連合会 会長 安田征伍氏

全国製麺協同組合連合会は5月末に開催された第46回通常総会で、兵庫県生麺協同組合の安田征伍理事長を新会長に選任した。昨年兵庫県で開催された全国製麺業者大会では、近年で最多数の参加者を集め、大いに大会を盛り上げた。全麺連会長就任当日のあいさつでは「止まることなく、後退することなく、前進していきたい」と語った。

 

原料である小麦の高騰などで業界再編かとささやかれるほど厳しい状況にある麺業界で、全国の組合をまとめる立場となることについて、「全麺連というのは全国の協同組合の連合会であり、各組合が集まっている組織だ。それを考えると、各組合に元気になってもらわないといけないが、地域性があって画一的にできることではない。地域に合うやり方でやっていかなければならない」と語る。

 

厳しい動乱の時代、全国の組合が企業間格差や組合員の減少などの問題を抱えている。後継者問題も深刻だ。「後継者のあるところは、たとえ小さくても工夫をこらし、がんばっている。反面、自分の代で終わるというところもあり、これからは淘汰の一途となるだろう。全麺連という立場であれば、厳しい環境におかれる企業が成り立つようにしていくのが本来の役目。しかし自分の企業は自分で守る、という気概はそれぞれに必要だ」と考える。今は能動的に動き、時代に即した経営をしていかなければならない時だということをいろんなところで直接人に会い、伝えていくことが使命だと語る。

 

今後の業界の展望について、10年先にはメーカー数はさらに減少していると予測し、「今はそれぞれの会社がそれぞれ商品を製造し、それぞれで配送しているが、今後は連携していくべきだ。配送なども協力しあえばコストもカットできる。協力できることはしていかないと生き残れない」と提案する。

 

また、「生産量を増やし、売上げばかりを追いかけていてもいけない。絶対数が減って、売上げの量は決まってくる。大手と競うには技術や設備が必要になってくる。また、何か問題が発生するたびに規制が厳しくなる。規制が厳しくなると中小・零細は大変に厳しい状態になってくる」とも指摘する。

 

企業のコンプライアンスについては「安全・安心というのは食品企業として当たり前のこと。基本は仕事に携わる人の問題に帰結する。たとえ家族経営の工場であっても、各人の意識が高ければ問題は起きないし、大きな工場でHACCPの手法を取り入れたりしていても、商品を取り扱う人の意識が低ければ事故は起こる。そして従業員と会社の間にしっかりした信頼関係がないといけない」と語る。

 

今後の方針について、「今までの生き方が出るようにやっていきたい。そのやり方が他者を批判するようなことになることもあるかもしれない。自分のやり方が認められるのかどうかもわからないが、麺に対して取り組んできた気持ち、企業のあり方を出していきたい。今までは麺業界は恵まれてきた。だから前進もしていないし、努力もしてこなかった。しかし今からは違う。本当に厳しい時代を迎えることになる。それぞれの努力が必要になってくる」と厳しい表情をみせた。(7/17)

 

安田征伍(やすだ・せいご)
1939年生まれ。1965年安田製麺代表取締役社長就任。1995年兵庫県生麺協同組合理事長就任。2008年安田製麺会長就任。同年全国製麺協同組合連合会会長に就任。