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この人の出番

産地との連携強化に注力 ノースイ 代表取締役社長 杉田巖氏

業界のパイオニアとして早くから世界中にサプライソースを求め、独自の展開で50年以上の歴史を持つ。その名の通り農産と水産を主力に、食に関するモノ、情報、サービスをトータルに、また最適な形にオーガナイズし提供する総合食材メーカーを目指している。このほど、安原和男前社長からバトンを受けて社長に就任した。

 

基本方針は、前社長の考えを継承し、課題となる中国産製品の安全性をアピールしながら、産地の開発、分散化に力を入れること。既存産地でも深堀りをしながら、新たな商品開発などにも取り組んでいく。

 

「特にここ2~3年はフレンチフライポテトやスイートコーンなど、米国を中心に原料産地は強気で売り手市場となっており、モノの確保という面から産地との連携強化が重要で、今まで手をつけていなかった新しい産地開拓に取り組む」。今期中にスキームを固め、来期への新展開に備える。

 

今期の売上高は0.6%減の417億円を見込む。中国がらみで調理品が大きく落ち込むと見ているためで、水産品・水産加工品はそれぞれ増収を予想、農産品は横ばいとみている。しかし立ち上がりは予想以上に厳しい状況という。

 

「第1四半期の売上高は、4月は前年クリアしたものの、5月は6%減、6月も約8%減と苦戦を強いられている」。調理品が予想以上に厳しいこと。これに水産部門のエビの仲間売りを抑制しているためで、その分、利益率は改善し、全社では減収ながら増益基調である。

 

立ち上がりの売上げ不振も、下期に向けては「エビは安定相場で推移しており、今後食材としての地位も上がり、消費を促す施策でリカバリーできる」見通しだ。またダメージを脱しきれない調理品だが、「中国産品復活のため、安全性のアピールに大いに努力するほか、新商品開発にも積極的に取り組んでいく」考えだ。

 

02年に添加物TBHQの問題発生では痛い目に遭った。このため「中国・龍大グループとは、トレーサビリティや品質検査体制など安全・安心に対しては早くから整備を進めており、ユーザーには安心して扱ってもらえるようアピールしていきたい」。

 

4月に冷食事業本部と加工水産事業本部を統合し、新たに冷凍食品事業本部とし、水産事業本部との2事業本部でスタート。「まだ効果というほどものが出ていないが、互いにそれぞれ取り引きのなかったルートへ商品を販売することで、下期は惣菜ルートなどに拡がりを期待、統合効果を実現したい」。人事交流も図り、水産と農産という従来からの壁を低くしながら、「両本部長も交流を増やしており、互いに切磋琢磨しながらやっていきたい」と意気込む。

 

「水産などでは市場環境の変化が大きく」中計などは明確していないが、中期的には経費面で在庫削減や物流の合理化・効率化などの取り組み、「経常利益率で1%が確保できる内部体制を作り上げていく」方向だ。

 

杉田カラーは?との問いには、幹部社員との年齢差も少ないことから「一緒に顧客を訪問し、ともに行動・ともに悩み努力していきたい」。(8/14)

 

杉田巖氏(すぎた・いわお)
1945年生まれ。70年三井物産入社、94年退社。同年ノースイ入社、98年取締役冷食営業本部副本部長、03年常務取締役冷食事業本部長、06年専務取締役、08年6月社長就任。