ホーム > この人の出番 > 第50回 JA全農ミートフーズ 代表取締役社長 狩谷哲夫氏

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この人の出番

正念場の3年目も順調な出足 JA全農ミートフーズ 代表取締役社長 狩谷哲夫氏

JA全農ミートフーズとして新発足して3年目を迎え、この6月に新社長に就任した狩谷哲夫氏。業績は第1期、第2期ともに計画を達成し、順調なスタートとなったが、食肉をめぐる環境が厳しくなっている中で、「当社にとっては本年度が正念場の年。わが社の真の実力が試されるところ」と語る。狩谷新社長に、当面の課題と今後の対応、業績見通しなどについて語ってもらった。

 

平成18年9月にスタートし、1期目(7カ月間)は計画を達成し、2期目も売上高は2294億円、当期利益は9.8億円と当初計画を達成し、「順調なスタートが切れた」と語る。

 

しかし、3期目の今期は、「景気の不透明感が強まり、所得も伸び悩み、少子高齢化も加わって食肉の消費環境は厳しくなっている」と、環境の厳しさを指摘する。特に単価の高い和牛は、6月、7月の売れ行きが悪かったという。一方、生産者段階では、飼料価格の高騰でコストが上昇しているため、生産基盤の縮小が危惧され、消費低迷の影響を懸念している。

 

食肉業界は厳しい環境にあるが、最大の課題は「当社の強みを最大限に発揮し、弱い部分を強化していくこと」と語る。

 

具体的には、1.素材事業の強化、2.食肉加工事業の強化、3.こだわり商品の開発の3点を挙げている。

 

素材事業では、系統の販売会社として国産食肉では他社に負けない強みを持っているが、この強みをさらに発揮し伸ばしていく。

 

特に食肉の生産コストが上昇しているため、付加価値製品の取り組みを通じて販売を強化して生産農家の期待に応えていく。遅れをとっている加工事業(加工食品・調理品)分野では、素材の強みを生かして取扱量を拡大していく。

 

現在、神奈川工場でハムソーやハンバーグなどを生産し、10カ所のパック工場で生協、量販店向けのパック製品を生産しているが、生協や関西方面の量販店からのパック製品の要望が強い。「加工食品事業の売上げ比率は前年の10%から12%に引き上げていく」方針。

 

そして、JAグループの強みを発揮して、こだわりの商品、差別化商品の取り組みを強化する。「JAグループ内に飼料原料を扱う海外法人、配合飼料工場、安全を担保する各研究センターがあり、これらの機能を有効に活用して飼料にこだわり、差別化した食肉の生産、販売を拡大していきたい」と語る。

 

また、同社は他社に先駆けて牛肉の輸出も積極的に推進しているが、「現在のアメリカ、香港、カナダに加えて今後、UAE、ロシア、シンガポールへの輸出の可能性も出てきているので、和牛4等級、5等級の輸出にさらに力を入れていきたい」と語る。

 

最近の、牛肉の消費低迷、相場低迷に対しては、「JAグループで消費拡大の取り組みや独自のキャンペーンも実施しているが、当社としても販売を強化して、消費拡大につなげ、生産農家の期待に応えていきたい」と語る。なお、今年度は売上高2256億円を計画している。第1四半期は計画を上回り、正念場の3期目も順調なスタートを切っている。(8/28)

 

狩谷哲夫(かりや・てつお)
1949年千葉県生まれ。72年千葉大学園芸学部卒。同年全農入会。03年全農畜産販売部長、06年JA全農ミートフーズ副社長、08年6月JA全農ミートフーズ社長就任。