ホーム > この人の出番 > 第52回 カルピス 代表取締役社長 石渡總平氏

  • 新聞
  • 食品産業新聞
  • 日報
  • 大豆油糧日報
  • 米麦日報
  • 畜産日報
  • 酒類飲料日報
  • 冷食日報
  • 月刊誌
  • 米と流通
  • 麺業界
  • メニューアイディア
  • 出版物
  • その他出版物

この人の出番

「選択と集中」で強みを発揮 カルピス 代表取締役社長 石渡總平氏

カルピスは、新3カ年中期経営計画(2008~10)に取り組んでいる。そのテーマは、国内飲料事業における「カルピス」ブランドの事業領域拡大と海外飲料事業・健康機能性食品事業の基盤確立により、心とからだの健康価値創造をグローバルに展開する企業グループの実現である。

 

石渡社長は05~07年に取り組んだ前中期経営計画について、「健康、海外、乳性飲料の強化をテーマに取り組んできたが、併せて競争力のある会社の基盤づくりを目指し全社で業革(業務改革)のプロジェクトを進めたほか、上海やベトナムなど海外拠点の整備を行った。次の発展を目指すための基盤整備はできたと考えている」と話す。

 

同社が大きく動いたのは前中計最終年度の07年だ。10月に味の素との経営統合を行い、味の素の100%子会社になった。また、同12月にはアサヒ飲料との自販機事業統合を行い、アサヒカルピスビバレッジを設立している。

 

今年に入ってからは原料・コストの上昇を受け、4月にコンク飲料の価格改定を行った。そして、同月にはエビアンの販売を終了。6月末には相模工場の生産機能を移転し、群馬と岡山工場の2工場体制に移行した。7月に群馬工場でアセプティック製造ラインを稼動している。

 

このような経営環境のもとで、エビアンを除く同社の飲料部門合計の販売数量実績は前年比10%増、同ストレート飲料は同12%増と好調に推移している(08年1~7月)。

 

新中計の事業戦略について、石渡社長は「前中計と大きくは変わらない」としながらも、「中期的な成長を視野に入れ、事業の選択と集中を行うことで当社の強みをさらに強く、また味の素とのシナジーも最大限引き出していく」と自信をみせる。

 

新中計で1番目に掲げる国内飲料事業では、「カルピス」ブランドのさらなる強化、業務用事業(外食産業、加工ユーザー向け)拡大によるユーザー拡大、ストレート飲料で「カルピス」ブランド以外の次なるブランドを育成・確立を目指す。

 

2番目は健康・機能性食品事業である。味の素との技術的なシナジーが最も発揮できるところで、技術を活かした製品や素材の開発をし、グローバルに展開することを検討していく。国内においては、既存事業の枠を超えたチャネル拡大を目指す。通販事業のチャネルを両社で開拓する。サプリメントの「ameal bp」は、アメリカの大手ドラッグチェーンに品揃えでき、今後事業としての確立を目指す。

 

最後に海外飲料事業では、まずアジアを中心とした事業拡大ということで、すでにタイ、インドネシアにおいては先行して進めているが、さらにベトナムを本格化させる。上海でもテストマーケティングを行っており、事業の見極めを急ぐ。台湾は、現地生産を含めて安定的な事業を展開している。

 

また、コスト削減にも注力する。石渡社長は、「全社をあげてコストダウンに取り組んでいるが、特に味の素社との取り組みでは、原材料を調達センターで共同調達することによって、規模のメリットを出していきたい。また、物流でもシナジー効果を出そうとプロジェクトをスタートした。この新中計の中で成果を出していきたい」と語っている。(9/11)

 

石渡總平(いしわた・そうへい)
1945年生まれ、千葉県市川市出身。東京大学法学部卒。仕事での信条はSimple Speed & Sympathy(簡潔に、迅速に、 共感性を大切に)。座右の銘は「生涯青春」「人に力あり」。趣味は下町散策、寄席観賞。