全国豆腐油揚商工組合連合会(全豆連)は、5月末の通常総会で新会長に岩本定夫氏(静岡県組合理事長)を選任した。岩本会長は、原料高騰などのコスト負担が大きくのしかかる豆腐業界を活性化するため、4つの委員会を設置し、活動をスタートさせた。
特に豆腐業界は、なかなか値上げが進んでいないのが実情だが、「NON―GM(非遺伝子組み換え)大豆の生産が年々減少し、供給不足が懸念される中、大豆を大事に使うことが必要。そのためにも適正価格の実現に向けてリーダーシップを発揮したい」とし、適正価格の実現に取り組む。
就任の抱負では、「今まで全豆連としても危機感を持っていたが、打つ手が遅れていた。全豆連執行部として手を尽くしてきたが、さらにそれ以上のことをやっていかねば、どんどん業界が沈んでしまう。全豆連としてもう一歩でも二歩でも進まなければならない」と述べ、豆腐業界の生き残りに全力を尽くす考えを示した。
具体的には、全国の理事長の了承を得て、8月21日から1,原料大豆委員会、2,青年部活性化推進委員会、3,組織委員会、4,事業宣伝委員会―の4委員会を立ち上げ活動をスタートさせた。
うち原料大豆委員会は、豆腐事業者が使用する原料大豆(輸入・国産)に関する内外の動向、安定確保のための方策などを審議する。特に機械メーカー、大豆卸と一緒になって農水省に要望を聞いてもらうなど、原料大豆確保の取り組みを行っていく。
組織委員会は、会員組織の充実強化を図るため、未加入組合・事業者の加入促進、公正な取引の確保、関係団体などとの連携強化について審議する。脱退した県組合の復帰への取り組み、アウトサイダーや日本豆腐協会との意見交換なども進めていく。
シカゴ大豆相場が一時16ドルを超すなど原料大豆の高騰に加え、原油高で包装資材の値上げも相次ぐ。これではいくらコスト削減に努力しても追いつかず、価格に転嫁せざるを得ない。その中で、昨年11月に原料高騰に関する要望書を量販店団体などに送付した。
しかし「豆腐業界は買い手市場で、どこも厳しい競争にさらされており、値上げは難しい。ただ豆腐の適正価格の実現は、ぜひともやっていかなければならない課題だ。大規模な業者も多くの社員を抱える中で、社員を大事にする理念を持ち、家族経営のところも人並みの生活をするため、それぞれ適正価格を実現しなければならない。これにリーダーシップを発揮して取り組まなければならない」と決意を示す。
大豆相場が高騰するだけではなく、NON―GM大豆の生産は年々減少し、大豆卸では安定供給への危機感は強い。そうした中で「従来通り、おいしく安全で安心して食べることができる豆腐を作っていきたいが、そのためにも大豆を大事に使っていかなければならない。輸入大豆はNON―GM大豆のみを使用しており、豆腐は本当に安心して食べることが出来る。一方で、国産大豆を増産してもらうことも必要だと思う」とし、貴重なNON―GM大豆を使う以上、大事に豆腐を売っていくことが必要であることを強調した。(9/18)
岩本定夫(いわもと・さだお)
1935年生まれ。静岡県島田市出身。59年岩本豆腐店開業。2004年静岡県豆腐油揚商工組合理事長、08年5月に現職就任。


