大手量販店などを担当する広域家庭用営業部長から、この9月1日付で大阪支店長に就任した。「営業担当として初めて赴任したのが大阪支店。自分は大阪に育ててもらった営業マンだと思っている」と約20年振りの大阪勤務に感慨も深い。
しかし現在の関西圏は産業、行政とも明るい話題が少ないといわれる。そのため「価格重視の厳しい環境ながら、新しいメニュー開発などフードサービスに取り組み、お得意先といっしょに感動、共感を得られるような仕事を一つでも二つでも積み重ね恩返しをしていきたい」と着任の抱負を語る。
キーワードはフードサービス。「当社はここ2~3年、サラダの主菜化を進め、量販店からも生鮮品の販売につながると評価されている。今年からこうした考えをさらに進め、全社の組織が有機的に動ける体制を整え、食のソリューションを目指すのが『フードサービス』。今までは業務用組織とタマゴ事業の連携はあったが、家庭用も含め、組織として融合する」と語る。
「例えば量販店の惣菜売り場のかつ丼の売れ行きが悪くても、家庭用の営業マンは何が問題なのか気付かない。当社は液卵等タマゴ関連商品はなんでもある。そこでタマゴ、業務用、家庭用が一つに集まってコンシェルジュのように売り場全体の問題解決を図っていくのがフードサービスの考え方だ。キユーピーに相談すれば、全部解決できると言われたい。グループ企業も含め我々にはいろいろな財産があり、うまく提供していくようにしたい。連携から融合へ」と熱く語る。
具体的なプログラムはこれからだが、大阪支店長としての方針は固まっている。
「土地を知り、人を知り、商売をする、が私のモットー。土地を知ると食が分かり、人を知ると情報が入る。そして初めて商売につながる。仙台にいた時、普通三杯酢や刺身で食べるホヤを青じそドレッシングで提案したところ、数倍売れた。東北のお客さんにとってはホヤという素材はなじみ深いが、食べ方が新しかった。だから大阪ならではのメニュー提案ができる要素はいくつも残っているはず」。
大阪支店には専門のメニュー開発チームはないが、本部提案のメニューに対して、支店の全員が関西圏の嗜好、素材の入手しやすさ、価格などを考え素材を置き換えるなど独自のメニューに仕上げることもしている。 また、業務用に関しても「料飲、製菓製パン、給食、加工用など業態別メニュー提案を実施。量販店に対しても企業別にメニュー、販促提案を充実させていく」ときめ細かい対応を進める。
企業人として「近江商人の家訓にある売り手よし、買い手よし、世の中よしの三方よしの精神」が基本と述べる。そして食に携わるものとして「メーカー、お客さま、そして消費者の三方が良くなることを考えた場合、価値訴求が大切であり、関西ならではのメニュー提案に行き着く」。近江商人の精神からもメニュー提案に重きを置いている。(10/30)
長南収(ちょうなん・おさむ)
1956年山形県生まれ。「南国に憧れて大学は鹿児島大学。雪は降らなかったが灰が降ってきた」。80年キユーピー入社。仙川工場に5年勤務後、営業本部、大阪支店、東京支店で営業担当。93年から広域営業部の発足メンバー。その後、仙台支店長などを経て06年から広域家庭用営業部長。学生時代はサッカーやカッターに親しむ。現在は「観戦が主体」。家族は奥さんと娘さん2人、7歳になるミニュチュアダックス1匹。


