ホーム > この人の出番 > 第60回 理研農産化工 代表取締役社長 鵜池直之氏

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この人の出番

中堅の特異性、有利性を追求 理研農産化工 代表取締役社長 鵜池直之氏

理研農産化工はこの5年間で、著しく業績を伸張させている。連結売上高は07年3月期で186億8300万円、08年3月期に234億8100万円、09年3月期(計画)は330億円と、直近3年間に限っても1.8倍近い業容に拡大する。

 

その陣頭指揮を執っている鵜池直之社長が社長に就任したのは1997年。この当時、理研農産化工は慢性的な赤字体質に苦しんでいた。それから4年、2001年に先代会長が亡くなり、文字通り再建の大役を負う。

 

そして取り掛かったのが経営改善計画の策定だった。03年度からスタートした第1次中期経営計画「よみがえる理研農産計画」は、それまで先送りしてきた全課題を一遍に解決しようという背水の陣だった。

 

「遊休不動産の売却、赤字子会社の整理、旧式設備の閉鎖、配合飼料工場の閉鎖など矢継ぎ早に、しかも思い切って取り組んだ。同時に営業拡大にも取り組み、中計1年目から黒字化を達成し、3年間でそれまでの塁損を解消、3年目には25年ぶりに配当を再開できた」と鵜池社長は語る。

 

06年度からは第2次中期経営計画「活力ある90周年計画」を実行に移した。「人間は元気で活力あるのが一番。企業も同じであり、第2次計画では、連結10部門(本社4部門、子会社3社6部門)全てで黒字化することを目標としたが、何と初年度から目標を達成できた。第1次計画で積み上げた、『やればできるんだ』の社員意識がベースとなって、相当困難な課題を解決できた」。

 

その理研農産化工の目標は、製粉部門では小麦挽砕能力で現在の4割増となる年間5万t能力への増強であり、製粉メーカーでトップ10入りすることだ。油脂部門では、中堅メーカーとして地域密着戦略を深掘りし、九州唯一の搾油工場である有利性を十二分に活かすことだ。

 

そのための施策が「数量は追わず、比率を高める」ことだ。鵜池社長はこう解説する。「製粉、油脂とも単に数量を増やすのではなく、製粉の内麦比率、ミックス粉比率、家庭用比率を、油脂分部門では業務用のミニローリー比率、家庭用の比率を業界平均以上にする」。

 

現在、製粉の内麦比率は31%、ミックス比率は16%、家庭用比率は24%となった。油脂部門でも、業務用ミニリーリー比率が30%となり、毎年100件の新規設置が続く。油脂の家庭用比率は28%と業界平均の4%を大きく超えている。

 

09年3月期中間連結では、売上高147億6300万円(前年同期比34.4%増)、営業利益6億2200万円(108.7%増)、経常利益6億5700万円(87.2%増)の進捗。通期では第2次中期経営計画の利益目標である経常利益10億円も達成できる見込みだ。

 

鵜池社長は「製粉・油脂とも中堅メーカーだからこそ出来る特異性、有利性を追求し、分母は小さくとも、比率では九州一、日本一になることで収益性を高める。それが生き残りの条件だ」と強調した。(11/6)

 

鵜池直之(ういけ・なおじ)
1933年生まれ。57年慶応義塾大学法学部卒、58年理研農産化工入社。子会社の鵜池商事、キムラヤ、ポアール社長を歴任。85年理研農産化工取締役業務部長、91年常務、96年専務。97年から代表取締役社長。趣味は読書、旅行、「下手なゴルフ」とはご本人の言葉。座右の銘は「断じて行えば鬼神もこれを避く」。